★ 井沢元彦さんの「猿丸幻視行」(講談社文庫)を読んだ。いわゆる歴史ミステリー。
★ ある大学院生が薬の治験に誘われる。報酬の誘惑に動かされて応じたところ、果たして幻覚なのか、折口信夫(民俗学者、国文学者)の身体に入り込み、彼の感覚を通して明治時代にタイムスリップ。猿丸大夫の謎に迫るというストーリーに発展する。
★ 著者の博学ゆえか、前半の暗号解きは難しい。猿丸大夫(これは個人名ではなくある集団の名称だという解釈)が実は柿本人麻呂ではという論稿に進む。このあたりは、小説というよりかは新書を読むような感覚だった。
★ 後半、舞台が私の居住地・宇治に移り、急に親近感がわいてきた。宇治川にそって滋賀方面に進むと宇治田原町に至る。小説に登場する猿丸神社は今も存在するようだ。
★ 猿丸大夫を追ううちに、折口は都が平城京に遷る前のある権力闘争にたどり着く。藤原氏対アンチ藤原氏の抗争。この辺りの記述は大学受験の日本史の解説ようだ。
★ 結局、猿丸一族の秘密は、今や天ヶ瀬ダム湖の湖底に眠り続けているようだ。
★ ある大学院生が薬の治験に誘われる。報酬の誘惑に動かされて応じたところ、果たして幻覚なのか、折口信夫(民俗学者、国文学者)の身体に入り込み、彼の感覚を通して明治時代にタイムスリップ。猿丸大夫の謎に迫るというストーリーに発展する。
★ 著者の博学ゆえか、前半の暗号解きは難しい。猿丸大夫(これは個人名ではなくある集団の名称だという解釈)が実は柿本人麻呂ではという論稿に進む。このあたりは、小説というよりかは新書を読むような感覚だった。
★ 後半、舞台が私の居住地・宇治に移り、急に親近感がわいてきた。宇治川にそって滋賀方面に進むと宇治田原町に至る。小説に登場する猿丸神社は今も存在するようだ。
★ 猿丸大夫を追ううちに、折口は都が平城京に遷る前のある権力闘争にたどり着く。藤原氏対アンチ藤原氏の抗争。この辺りの記述は大学受験の日本史の解説ようだ。
★ 結局、猿丸一族の秘密は、今や天ヶ瀬ダム湖の湖底に眠り続けているようだ。