じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

内なるペスト

2018-06-19 12:49:04 | Weblog
☆ NHK「100分de名著」、今月はカミュの「ペスト」を取り上げている。これがなかなか考えさせられる。

☆ アルジェリアのある街でペストが発生した。事なかれ主義の政府の対応だったが、患者が増えるにつれて見過ごすことができなくなり、遂に街は封鎖される。隔離された空間の中で、人々はペストの恐怖に怯え、逃避し、戦う。その中で、一人ひとりがそれぞれの「内なるペスト」を発見する。

☆ 内なるペスト。それは「悪」の自覚であり、あるいは「罪」の自覚であり、あるいは自らが「死せる存在である」ことの自覚なのかも知れない。危機的状況に直面することによって、彼らは自分の心の奥底を見つめることになる。


☆ 天災は容赦がない。時間も規模も人間の都合に合わせてはくれない。人間はただそれを受け入れ、適応するしかない。

☆ 昨日の地震以降、不安心理が広がっている。数日もたてば過去の出来事として忘れてしまうのだろうが、今は地の揺れと共に心も揺れている。足場が定まらないと不安なものだ。こういう時に新興宗教が広まるのだろう。すべてを超越的な何者かに委ねると、たとえ現実逃避であっても気が休まる。あきらめがつく。

☆ 無神論者は自らの不安感と戦わねばなるまい。実存主義を実感することができるのか。

☆ 急ぎ書店で「ペスト」(新潮文庫)を買った。読んでみたい。
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震災特需

2018-06-19 12:07:42 | Weblog
☆ 平日の午前中、いつもなら閑散としているスーパーが、今日はレジに長蛇の列。

☆ カップ麺、缶詰、米、パンなど保存食に欠品が目立つ。買いだめのようだ。

☆ 客層もいつもと違う。中年の男性の姿が多い。日曜日のように子どもの姿はないが、いつもとは違う光景だ。

☆ モノ余りの世の中、家庭内在庫を少なくするシンプルライフは時流。しかし、いざ災害となると、そうも言っていられないようだ。

☆ 「レジが混みあって申し訳ございません」のアナウンス。阪神淡路の震災以来のプチパニック。

☆ 熊本地震の例もある。より大きな本震が来るのではと不安も募る。
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堀江敏幸「熊の敷石」

2018-06-17 21:47:24 | Weblog
☆ 堀江敏幸さんの「熊の敷石」(講談社文庫)を読んだ。

☆ 読者に媚びない作品だと思う。本として売れることを意図せず、純粋に書きたいから書いたものではなかろうか。

☆ 主人公が旧友のヤンと旅をして、いろいろな風物を体験したり、ユダヤ人の歴史を語ったり。

☆ 終盤にきて初めて「熊の敷石」という意味が分かった。

☆ 行間広めのページレイアウトは、何か読みにくかった。しかし、これこそ「熊の敷石」か。
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村上暢「ホテル・カリフォルニアの殺人」

2018-06-17 02:55:47 | Weblog
☆ AKBグループの総選挙は10回目を迎えたそうだ。そんな夜、村上暢さんの「ホテル・カリフォルニアの殺人」(宝島社文庫)を読んだ。まさに「歌姫殺人事件」の物語だ。

☆ アメリカの砂漠にたたずむホテル・カリフォルニア。このホテルに通じる道らしい道はなく、来客はヘリコプターでやってくる。このホテルで行われる歌姫選抜投票。ところが歌姫たちが次々と殺される。それも密室で。なぜ彼女たちは殺されたのか。どんなトリックで殺されたのか。

☆ 舞台がアメリカということで本来は英語で語られる作品なのだろう。それゆえか最初は翻訳調が気になる。吹き替えの映画を見るような感じだ。しかし中盤からは、そんなことも忘れて、謎解きに夢中になる。

☆ 「ホテル・カリフォルニア」という表題が示唆するように、音楽が大きな意味をもっている。それに物理学。

☆ 語り手は日本人の富井仁。トミーと呼ばれている。彼の物語はまだまだ続きそうだ。
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綿矢りさ「蹴りたい背中」

2018-06-16 17:06:47 | Weblog
☆ 綿矢りささんの「蹴りたい背中」(河出文庫)を読んだ。

☆ 群れるのを嫌い、ハミることで孤高を貫く女子高生が、生きにくい高校生活を何とかやり過ごしている物語。

☆ この女子高生が、あるモデルを追っかけるオタク少年に何故か魅かれる。自分よりも下のモノに憂さを晴らすためか。自分と同じ匂いを彼に感じたからか。少女は少年の背中を蹴りたい衝動に駆られる。(実際、蹴ってるし)

☆ 思春期の微妙な心の動きが感じられる。
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マック裏メニュー

2018-06-16 12:32:19 | Weblog
☆ 期末テスト対策。生徒たちにマクドナルドのハンバーガーを差し入れ。「裏メニュー」のキャンペーンをしていた。

☆ 「裏メニュー」とは何?って感じで検索すると、レギュラーのハンバーガー16種類にトッピングができるというもの。トッピングにはスライストマト、スィートチリソースなど4種類が用意され(有料だけれど)、そのうち3つまで選べるという。できる組み合わせは544通りだという。

☆ 544通り。
  トッピングが1種類が4通り、
  2種類が4C2だから4×3÷2で6通り、
  3種類だと選ばれない1つを選べばよいから4通り。
  16×(4+6+4)=224通り。544通りにならないぞ。

☆ どうやら、同じものを2つ3つと選んだり、同じものを2つ別のものを1つという選び方もできるようだ。
  同じものを2つなら4通り、
  同じものを3つでも4通り、
  同じものを2つと違いものを1つの組み合わせは3×4=12通り。

☆ だから16×(4+6+4+4+4+12)=544となるのか。

☆ 納得した。
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「ダンケルク」

2018-06-16 03:12:55 | Weblog
☆ 映画「ダンケルク」(2017年)を観た。

☆ 1940年、イギリスをはじめとする連合軍はフランスのダンケルクの海岸でドイツ軍に包囲された。このままでは全滅する。30万人を超える決死の大撤退が始まった。

☆ ほぼ全編戦闘シーンが続く。海戦、陸戦、そして空中戦がリアルに描かれている。戦争とは集団的、計画的な殺戮であることがひしひしと伝わってくる。人類はいつまでこんな無意味な徒労に多くの命をかけるのだろうか。まったく愚かだ。
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「ナイトシフト」

2018-06-15 13:35:30 | Weblog
☆ ドラマ「ナイトシフト 真夜中の救命医」第1シーズン第1話(2014年)を観た。

☆ 医療モノは「ER 緊急救命室」で十分堪能したが、この作品も面白そうだ。

☆ 特徴なのは、題名の通り「ナイトシフト」つまり夜勤シフトを扱っているところ。それから軍事基地に近い病院と言うことで軍関係者が医療現場にも患者にも多いというところだろうか。

☆ キャストは男性、女性、白人、黒人、アジア系などベストミックスと言うところ。主人公のTC・キャラハンは「医龍」のような格好良さだ。病院の経営を重んじる事務長との軋轢も興味深い。

☆ セリフの中で「オバマケア」と言うのが出てきた。オバマケアによって病院経営が苦しくなったということだろうか。アメリカは日本のようなありがたい健康保険システムはない。(保険料は結構高いが)。受益者負担、自己責任のお国柄だ。国民は民間の保険会社と契約し、その契約内容に応じて医療サービスが受けられるようだ。

☆ 日本人の感覚からすると事務長の言動はムカツクが、彼の立場からすれば当然のことなのかも知れない。

☆ この事務長にも謎がありそうだ。

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トリクルダウン

2018-06-14 19:09:54 | Weblog
☆ 富める者が豊かになれば、貧しい者も豊かになる。そんな経済理論があるという。

☆ 確かに、減税しようにも税金さえ納めていない人に恩恵はない。かといって貧しい者に給付金をばらまいても借金の返済か貯蓄に回るのがオチだ。

☆ であるなら、富める者を豊かにし、どんどんお金を使ってもらったら景気がよくなるのではないか、ということだろうか。シャンパンタワーのように。

☆ 一見的を射ているように見えるが、富める者は結構ケチだ。浪費をしないから富が貯まる。だから富める者はますます富む。

☆ 結局、富める者から巨額の富裕税でも徴収しない限り、再配分されない。ただこの格差が地球規模で起こっているのがやっかいだ。国内だけで富裕層(大企業などを含む)を絞っても国際的な競争力を失うばかりだ。

☆ 根本的な解決は資本主義と言うシステムが変わらねばならないのだろうが、その処方箋は誰にも分らないようだ。

☆ 大手企業の夏のボーナスは史上最高額だとか。中小零細企業との格差は広がるばかりだ。トリクルダウンではなく、富者の「トリック」で貧者が「ダウン」することがないように願いたいものだ。
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誉田哲也「シンメトリー」

2018-06-14 16:18:43 | Weblog
☆ 誉田哲也さんの短編集「シンメトリー」(光文社文庫)から表題作を読んだ。

☆ 飲酒運転の車と電車が接触。電車は脱線し100名以上が死んだ。車の運転手はわずか5年の刑。この事故で片手を失った男の復讐が始まる。

☆ 死体の遺棄方法は新潟の事件を思い起こさせる。痛ましい。(あえて詳細は書かないでおこう)

☆ 事件を解決したのは姫川玲子警部補。映画「ストロベリーナイト」(2013年)の竹内結子さんのイメージが強い。

☆ 短編なので足早な展開だったが、面白かった。前半の短い文を重ねる文体、体言止めの多用が印象的だった。
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