★ ドラマ「不適切にもほどがある」が面白い。昭和(1986年)に生きる教師が令和(2024年)にタイムスリップするコミカルなドラマ。40年前は当たり前だったことが、今ではありえない。コンプライアンス違反、セクハラ、パワハラなど、皮肉を込めて面白く対比している。
★ それで思い出した。彼なりの受け狙いだったのだろうか、軽口をたたいただけなのか。外務大臣の容姿をからかった有力政治家が非難を浴び、発言を取り消す騒ぎとなった。
★ この政治家も昭和の時代ならこれほどまでに騒がれなかったかも知れない。時代は急速に変化している。時代についていけず「老害」(これも差別用語か)などと揶揄されないように心がけたいものだ。
★ さて読書。真藤順丈さんの「地図男」(MF文庫)は途中で挫折。地図男と出会うまでは良かったのだが、あとはついていけなかった。東京都民なら感情移入できたのかな。いとうせいこうさんの「想像ラジオ」(河出文庫)も100ページまで読んだが、何かはまらなかった。DJが一人語りしている感じ。
★ 新井満さんの「尋ね人の時間」(文春文庫)から表題作を読み終えた。第99回(1988年)芥川賞受賞作。私の感覚から言えば小説らしい小説だった。最近は時流に迎合し(あるいは時代を先駆けて)奇をてらう作品が多いように思う。
★ 主人公はそこそこ有名な写真家。中学生ぐらいの娘がいるからもはや中年の域に入っている。妻と娘との3人家族。普通に幸せな家庭を築いていたが、どうした理由か、彼はEDに陥った。性的不能になったことが原因なのか、妻は他所に彼氏をつくり離婚。娘は妻が引き取った。
★ そんな男性がある展示会で駆け出しのモデルの女性と出会う。
★ だからどうって感じはするが、ドラマを見るように読むことができた。
★ 川﨑秋子さんの「ともぐい」(新潮社)、川上未映子さんの「黄色い家」(中央公論新社)、宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)、王谷晶さんの「蜜のながれ」(文藝2024年春号)を読み始める。どれも力作だ。