じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

新井満「尋ね人の時間」

2024-02-03 18:13:07 | Weblog

★ ドラマ「不適切にもほどがある」が面白い。昭和(1986年)に生きる教師が令和(2024年)にタイムスリップするコミカルなドラマ。40年前は当たり前だったことが、今ではありえない。コンプライアンス違反、セクハラ、パワハラなど、皮肉を込めて面白く対比している。

★ それで思い出した。彼なりの受け狙いだったのだろうか、軽口をたたいただけなのか。外務大臣の容姿をからかった有力政治家が非難を浴び、発言を取り消す騒ぎとなった。

★ この政治家も昭和の時代ならこれほどまでに騒がれなかったかも知れない。時代は急速に変化している。時代についていけず「老害」(これも差別用語か)などと揶揄されないように心がけたいものだ。

★ さて読書。真藤順丈さんの「地図男」(MF文庫)は途中で挫折。地図男と出会うまでは良かったのだが、あとはついていけなかった。東京都民なら感情移入できたのかな。いとうせいこうさんの「想像ラジオ」(河出文庫)も100ページまで読んだが、何かはまらなかった。DJが一人語りしている感じ。

★ 新井満さんの「尋ね人の時間」(文春文庫)から表題作を読み終えた。第99回(1988年)芥川賞受賞作。私の感覚から言えば小説らしい小説だった。最近は時流に迎合し(あるいは時代を先駆けて)奇をてらう作品が多いように思う。

★ 主人公はそこそこ有名な写真家。中学生ぐらいの娘がいるからもはや中年の域に入っている。妻と娘との3人家族。普通に幸せな家庭を築いていたが、どうした理由か、彼はEDに陥った。性的不能になったことが原因なのか、妻は他所に彼氏をつくり離婚。娘は妻が引き取った。

★ そんな男性がある展示会で駆け出しのモデルの女性と出会う。

★ だからどうって感じはするが、ドラマを見るように読むことができた。

★ 川﨑秋子さんの「ともぐい」(新潮社)、川上未映子さんの「黄色い家」(中央公論新社)、宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)、王谷晶さんの「蜜のながれ」(文藝2024年春号)を読み始める。どれも力作だ。

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町屋良平「しき」

2024-02-02 13:53:14 | Weblog

★ アニメ「薬屋のひとりごと」がなかなか面白い。コミック版を読もうと思うが、2種類出ているのでどちらを購入するか迷う。

★ ユーチューブでは斉藤紳士さんの「斉藤紳士の笑いと文学」がとても参考になる。

★ 本屋大賞、候補作が発表された。どれも読んでいない。川上未映子さんの「黄色い家」と宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」が面白そうなので、早速アマゾンで注文した。

★ さて今日は、町屋良平さんの「しき」(河出文庫)を読み終えた。高校生が主人公。高校生には高校生なりの悩みがある。

★ スクールカーストあり、恋愛あり、家庭問題あり、友人関係あり。主人公が河原でダンスを楽しんでいるのが変わったところか。

★ 途中に春夏秋冬の3行詩があるので、「しき」は四季のことか。同世代ならもっと感情移入できるかも。私にとっては少々冗長だった。ひらがな表記が多いこと(意図的かも知れないが)も読みにくかった。

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田中慎弥「切れた鎖」

2024-02-01 16:11:28 | Weblog

★ 近隣の小中学校でインフルエンザが大流行。学級閉鎖が相次いでいる。過敏なほどのコロナ禍が去って、マスクなし生活の結果か。インフルエンザにせよ、コロナにせよ、数年前のヒステリックな大騒ぎが嘘のようだ。

★ 学級閉鎖とはいえ、感染していない子は家にじっとしているはずもなく、共働きで両親が家にいない子どもたちは、家ですることもなく何人か近所の子がつるんで塾に来る。うちの塾は昔の駄菓子屋のような賑わいだ。

★ さて、子どもたちの喧騒の合間を縫って、今日は田中慎弥さんの「切れた鎖」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

★ 本州の西端。セメントで財を成したある一族。形ばかりの役職に就き、生活に不自由はないもの、没落の道を歩んでいる。今は祖母、娘、孫娘の3人で暮らしている。

★ 日常を描いているのに、時代が後先行き来し、3人の人物像がつかみにくかった。

★ 第138回(2007年)芥川賞候補作。偶然だが、最近読んでる本はこの時代の作品が多い。

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