10月30日付「神奈川新聞」は、1面トップで「特定秘密保護法案」について、河野洋平元衆院議長(元自民党総裁)の発言を報道しています。 (同月29日取材) 河野氏は、「われわれが思っている以上に、はるかにさまざまな立場、体験から不安を持つ人が多い。 そのことをきちんと考え、慎重に議論すべきだ。」と述べ 「今臨時国会での成立にこだわらずに議論を尽くすべきだ」との考えを示したとのことです。
また、安倍政権の安全保障政策については、「日米安保関係は戦後何十年も議論を積み上げ、国民の理解と一緒に進んできた。 そこから前のめりに飛んでいくと、国民の意識か離れる」と指摘し、「国家安全保障戦略」などの法的整備の議論に関して、「委員の選び方が恣意的。その結論と称して自分の目標を導く手法で、国会審議をジャンプすることになりかねない。 国会の手順を経ないで大きな国策が変更されることはあってはならない」と苦言を呈しています。
国会では、31日、国家安保理特委の参考人質疑で、柳沢協二元内閣官房副長官補が、意見陳述しました。柳沢氏は、イラク戦争の前提となった大量破壊兵器の情報収集の例を提示し、「当時、政策決定(政権)の方向性に情報サイド(情報収集・分析を担当する側)が引っ張られた側面がある。 そういうことにならなおように気をつけなければならないのが最大の教訓だろう」と断言しました。(「しんぶん赤旗」1日付)
自民党内でも、元閣僚は、「私は今回の法案にも反対だ。 政権が『特定秘密』の範囲を都合よく広げる危険がある。 『報道に配慮』というが恣意的なものにならないか。非常に心配だ」(しんぶん「赤旗」3日付日曜版)と語っています。
そして、支部の会議でも話題になっているのが、美智子皇后が79歳の誕生日に宮内記者会の質問への憲法問題ふれた回答です。以下、私の責任で要約させていただきました。(全文は、「朝日新聞デジタル」による)
皇后は、「5月の憲法記念日をはさみ、今年は憲法をめぐり、例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。 ー中略ーかって、あきる野市の五日市を訪れた時、郷土館で見せて頂いた『五日市憲法草案』のことをしきりに思い出しておりました。 明治憲法の公布(明治22年)に先立ち、地域の小学校の教員、地主や農民が、寄り合い、討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で、基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、更に言論の自由、信教の自由など、204条が書かれており、地方自治権等にいついても記されています。 -中略ー近代日本の黎明期に生きた人々の、政治参加への強い意欲や、自国の未来にかけた熱い願いに触れ、深い感銘を覚えたことでした。 長い鎖国を経た19世紀末の日本で、市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして、世界で珍しい文化遺産ではないかと思います」と述べています。
日本国憲法第99条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定しています。
安倍政権が憲法をないがしろにし、憲法の30条に及ぶ基本的人権を封じ込め、「戦争する国づくり」にのめりこんでいるいる時、公然と憲法を尊重し擁護する立場で発言されたことに、国民のに一人として大変激励された思いです。