「読売」紙4月1日付が、「新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、世界各地に展開する米軍でも感染者が増え、部隊の移動停止など感染拡大防止の対応に追われている」「米国防総省によると、米軍の感染者は30日(3月)時点で累計603人に上り、10日間で8倍以上増えた」「米、抑止力低下に危機感」と報じました。
さらに、太平洋地域に展開中の空母「セオドア・ルーズベルト」では、「3月上旬にベトナム・ダナンに寄港後、集団感染が発生した。現在はグアムで、全乗務員約5000人の検査を実施している。横須賀基地を拠点とする空母「ロナルド・レーガン」でも複数の乗組員が感染しているとの報道がある」「国防総省は25日、部隊の海外派遣や部隊の移動を伴う演習などを60日間、原則として停止することを発表した」
「しんぶん赤旗」6日付は、次ぎのように報じました。
「『われわれは戦争をたたかっているのではない。水兵たちは死ぬ必要はない。いま行動しなければ、われわれは彼らを失うだろう』。中国海軍を念頭に、南シナ海やフィリピン海を航行中だった米原子力空母セオドア・ルーズベルトの艦長は3月30日、艦内での新型コロナウイルス感染拡大の惨状を訴え、乗組員の即時下船を要請しました」
「4日現在、同艦での検査は乗組員約4000人中44%にとどまっていますが、それでも155人の感染を確認。もはや任務継続は不可能な状態です」
「さらに、4月以降、フィリピン海などに展開するはずだった米海軍横須賀基地(神奈川県)所属の原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員にも感染が拡大。出港の見通しはたっていません。同基地内では3月末現在5人の感染が確認されていますが、米国防総省は基地ごとの感染者数を非公表としたため、その後の状況は覆い隠されていいます」
「米国防総省によれば、軍属や家族を含む感染者数は3日現在で1648人、死亡6人。米軍でこれだけ感染が拡大している理由は、地球規模で軍事基地網を築き、海外で複数の軍事作戦を行い、移動を繰り返しているからです」
「米国の軍事的覇権主義と、常時介入態勢が、感染症への脆弱性をもたらしたのです」として、次ぎのような記事も紹介しています。
「米航空専門誌『エビエーション・ウィーク』(3月31日付)は、同盟国が弱体化し、米軍の作戦計画や武器輸出に影響が出ることなどを指摘。また、電子雑誌『ザ・ディプロマット』(3月27日付)は、地球規模ではりめぐらされた兵器の供給網への深刻な影響を指摘。今後、在日米軍を含め、部品の不足で艦船や航空機を動かせない可能性もあります」
そして、新型コロナウイルスの感染爆発を契機に、米国を中心とした軍事的覇権主義のもろさと同時に、未知の感染症や、今後予想される気候変動に伴う災害の増加といった、全人類への脅威への対処こそ、真の『安全保障』であることが明るみにでました。特定の国家・武装勢力を仮想敵とする伝統的な『安全保障』観は転換を迫られています」と述べています。