宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「マルクスの描いた大展望ーー人間と自然の交流、人間性にもっともふさわしい条件で」-改定綱領講座(3)

2020年04月16日 | 綱領関連

【エンゲルスの「自然の弁証法」に関する部分は、省略させていただきます】

 志位さんは、「第3の文書」で次のように紹介しています。

「利潤第1主義による『物質代謝』とその前提となる『永久的自然条件』の攪乱・破壊は、どうすれば克服することができるのか。マルクスは、その根本的展望を、『資本論』第3部での未来社会論のなかで、次ぎのようにのべています。『この領域(物質的生産の領域、必然性の国のことーー引用者)における自由は、ただ社会化された人間、結合した生産者たちが、自分たちと自然との物質代謝によってーー盲目的な支配力としてのそれによってーー支配されるのではなく、この自然との物質代謝を合理的に規制し、自分たちの共同の管理のもとにおくこと、すなわち最小の力の支出で、みずからの人間性にもっともふさわしい、もっとも適合した諸条件のもとでこの物質代謝を行うこと、この点にだけありうる」(「資本論」第3部第7編第48章「三位一体的定式」、新書版⑬1435㌻、上製版Ⅲb1441㌻)

「マルクスがここで、『この領域』と呼んでいるのは、物質的生産の領域のことです」

~中略~

「『資本論』から3つの文章を紹介しましたが、いまのべてきたことをまとめると次ぎのようなことになります」

「人間は、この地球上で、自然と交流しながらーー物質代謝をしながら生きてきた。しかし、資本主義的生産の利潤第1主義は、物質代謝を攪乱し、その前提である自然条件を破壊する。その攪乱・破壊は、現在では、地球規模での気候変動まで引き起こし、人類の生存条件を破壊しかねないところまできている」

「未来社会ーー社会主義・共産主義社会は、この攪乱・破壊を規制し、人間と自然との交流ーー物質代謝を、合理的に、最小の力の支出で、人間性にもっともふさわしい条件のもとで進めることを可能にする。これがマルクスの描いた大展望でした」

「マルクスの『資本論』でのこの解明は、気候変動の問題の解決の根本的な道を明らかにしていると言えるのではないでしょうか。すなわち、資本主義を乗り越えて社会主義にすすむことが、地球的規模での環境破壊ーー気候変動の根本的解決の道だということを示しているのではないでしょうか」

「マルクスの生きた時代には、地球的規模の環境破壊はおよそ問題になりませんでした。しかし、その時代に、マルクスは、資本主義的生産による自然環境の破壊の最初の現れに着目して、『物質代謝』の『攪乱』という分析を行い、それを根本的に解決する道は未来社会への変革のなかにある。ここまでのべていたのです」

「その論理の深さ、洞察力の深さには驚くべきものがあるのではないでしょうか」

「地球的規模の気候変動についても、マルクスは『資本論』のなかに解決の手がかりになる太い論理を示している。このことに注目して『資本論』を読んでいきたいと思います」