宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

「民主主義の将来は」「訪れる社会は」 = ”新型コロナと人間社会の行方” (下)

2020年04月21日 | 未来社会へのプロセス

 昨日に続き、「読売」紙21日付の「特別対談 新型コロナと人間社会の行方」(下)の「民主主義の将来は」及び「訪れる社会は」について紹介させていただきたいと思います。

【民主主義の将来は】

 ― 感染拡大を防ぐ有効な対策は『3密』を避けること。情報化や非接触の人間関係が加速しそうです。個人と政治の関係にも変化は及ぶでしょうか」

大澤 中国が新型コロナの感染拡大を抑えることにある程度成功しているように見えますが、中国の出してきたデータに、多くの人は懐疑的です。それは中国の人たちがうそつきなのではなく、中国共産党の一党独裁支配に構造的欠陥があるからです」

「中国の官僚は人民に対しては説明責任があるわけではないですから、上司に対し、管轄区域の感染者を少なく申告するようなことが起きます。民主主義的でない中国のやり方は、万能な解決法にはならないのではないでしょか」

宇野 フランスの政治思想家トクヴィルは、 人々の自発的組織であるアソシエーションが民主主義の鍵となると考えました。私も政府と個人をつなぐ新たな組織が非常に重要だと思います。現在は、新技術やオープンなデータを活用し政府をチェックし、具体的に政策提言まで行う組織が次々とできてきています。民主主義が高度化していくことに期待しています」

アソシエーション:国家と個人の間にある、労働団体や宗教団体などの中間的組織・結社。トクヴィルが1831年~32年に米国を視察した際、結社による社会活動が盛んで、自由を促進していることに衝撃を受けた。多数者の専制への対抗にも役割を果たすとし、『アメリカのデモクラシー』を著した」(同記事より転載)】

大澤 私も、アソシエーション的な組織がさらに世界的に結びついていくようなイメージを持っています」

【訪れる社会は】

 ― 今後どのような社会が展望されるのでしょうか」

大澤 一つ指摘したいのは、新型コロナが収束しても、元の世界は戻ってこないということです。それをみんなが理解する必要があります。そして、新型コロナの問題はウイルスだけの問題ではなく、民主主義、国際機関、社会システム、自然環境との関係、人の生き方など、全体の問題として考えなければなりません」

「新しい民主主義か極端な全体主義、将来はその両方の可能性があると自覚した方がいいでしょう。人類が常に危機と隣り合っていることを運命として受け入れない限り、思い切った変革はできません」

宇野 私も以前の生活にはもう戻らないと思います。一定のリスクや緊張は今後も続くでしょうし、日常と緊張時の区別も曖昧になりがちです。コロナ危機は、排外主義や管理社会など、これまでもあった問題を顕在化させました。直近の未来は明るくないですが、ポストコロナ社会をより良いものにすべく、長期的な視野で考えるべきです。危機を真に乗り越えられるよう、世界的に協力していく機運が高まることを信じています」