宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「気候変動の問題ー『資本論』のなかに問題解決への手がかりがある」-「改定綱領講座」 (2)

2020年04月14日 | 綱領関連

 志位さんの「改定綱領」講義内容を引き続き紹介させていただきます

「もちろんこの課題は待ったなしであり、資本主義のもとでも、そうした『システムの移行』を実現するための最大の努力を緊急に行なっていく必要があります。ただ少なくとも、資本主義に特有な利潤第1主義を。かなりの程度まで規制、抑制する社会システムが必要になることは間違いないのではなでしょうか」

 そして、次ぎのように、語りました。

【気候変動の問題ーー『資本論』のなかに問題解決への手がかりがある】

「マルクスが生きた時代は、18~19世紀初頭に起きた『産業革命』から間もない時代であり、地球的規模の環境破壊は問題にならなかった時代です。それでも『資本論』のなかには、この問題の解決の手がかりになる論理があります。マルクス『資本論』から3つの文章を抜き書きしてみました」

第1の文書。マルクスは『資本論』のなかで、人間の生産活動、経済活動を、自然と人間との『物質代謝』のなかに位置づけました。『労働は、使用価値の形成者としては、あらゆる社会形態から独立した、人間の一生存条件であり、人間と自然との物質代謝を、したがって人間生活を媒介する永遠の自然必然性である』」(「資本論」第1部第1編第1章「商品」、新版①79㌻)

「ここでマルクスが使っている『物質代謝』とは、もともと生物学の言葉です。すべての生命体は、外界から栄養物資などを取り込んで、体のなかで変化させて、自分に必要な構成物質につくりかえ、エネルギー源としたうえで、不要な部分を対外に排出しています。どんな生命体でもやっていることです」

「これを生物学で『物質代謝』と呼びますが、マルクスは、この言葉を使って、人間が労働によって、自然からさまざまな物質を取り込み、それを加工して自分の生活手段に変えることを、生命体になぞらえて、『自然との物質代謝』と呼んだわけです」

第2の文章。資本主義的生産は、利潤第1主義による産業活動によって、人間と自然との物質代謝の前提になっている自然の環境を破壊していきます。『資本主義的生産は、それが大中心地に堆積させる都市人口がますます優勢になるに従って、一方では、社会の歴史的原動力を蓄積するが、他方では、人間と土地とのあいだの物質代謝を、すなわち、人間により食料および衣料の形態で消費された土地成分の土地への回帰を、したがって持続的な土地豊土の永久的自然条件を攪乱する」(「資本論」第1部第4編第13章「機械と大工業」新版③880~881㌻)

「ここでは、『物質代謝』の『攪乱』という分析が現れます。『持続的な土地豊土の永久的自然条件を攪乱する』とは、資本主義的な利潤第1主義の農業生産によって、土地の栄養分がなくなってしまい、荒れ地になってしまうことを言ってす。当時、自然環境の破壊は、こうした農地の破壊という形で問題になっていました」

~中略~

「現代の資本主義的生産は、まさに利潤第1主義が猛威を振るうことで、地球規模での環境を『攪乱』=破壊し、気候変動を引き起こすまでにいたっていますが、その最初の現れの一つを、マルクスはこういう言葉でのべていたのであります」

(つづく)