「読売」紙は17日付、「国際面」で「難局 左派与党大勝」「コロナ対策 中道・無党派から投票」の見出しで、15日の韓国総選挙の結果を大きく報道しました。
私が注目していた一つは、投票率でした。報道によれば、投票率は66.2%でした。この投票率は28年ぶりの高水準だったといいます。
「しんぶん赤旗」の栗原千鶴記者は、次ぎのように伝えています。
「恵泉女学院大学の李泳采(イ・ヨンチェ)助教授は『大統領選以降、昨年の地方選、今回の総選挙と、国民は民主党に権力を与えることを選択し政治勢力を一新してきた。市民革命がようやく完成した』と分析」
「選挙結果には、格差社会の解決、南北の平和プロセスの推進など、改革をさらに進めてほしいという明確な意思が現れた」
「慶南大学極東問題研究所の趙眞九(チョ・ジング)助教授は『ろうそく革命を通じて、保守も変わるべきだった。国民の声に耳を傾けず対案も出さない保守勢力に審判が下った』と強調します」(「しんぶん赤旗」18日付)
メディアがほぼ共通して報道している、韓国総選挙の結果につながったと言われている「新型コロナ対策」で文在寅政権が行っている対策とはどんな内容でしょうか。日本のメディア(新聞、テレビ等)は系統だった報道をほとんどしていないのではないでしょうか。
そんな中、「しんぶん赤旗」19日付「日曜版」に、ソウル在住16年の通訳・翻訳者の済藤智香さんの投稿記事が掲載されました。以下、紹介させていただきます。(一部、略)
「韓国(人口5100万人)の新型コロナウイルス感染者は累計で1万人を超えましたが、7300人以上が完治しました。~中略~直近1週間ほどの1日平均の新規感染者は50人前後で推移しています」
「感染が広がったのに医療崩壊などの混乱を防いだ韓国の対策を評価する海外の報道が最近、増えています。検査・追跡・治療で適切な対策が迅速に行われたという報道です」
「現地での実感としては、2月末から3月初めの大てい・慶北地域での感染爆発時が最も危険でした。一事は5千人を超える感染者の約半数が、病床が足りずに自宅療養をしなければなりませんでした。適切な治療を受けられず、自宅で死亡する人も相次ぎました」
「これらの人々の隔離治療が急務だったとき、政府と大てい市は公共施設や大学、企業と協力して、寄宿舎や研修センターを、軽症患者の治療・検査が可能な施設『生活治療センター』とし、病床不足に対応しました。不足する医師と看護師を全国から募集し、急増する患者に対応しました」
「韓国は1000人あたり病床数は12.3人(17年)で経済開発協力機構(OECD)加盟国でもトップ級ですが、感染症に最も早く対応できる公共施設の病床数は約10%です。『生活治療センター』15カ所(3300人収容可能)を設置した迅速な対応と、自らへの感染も危ぶまれる中、全国から集まった医療関係者の協力が功を奏したと思います」
「検査キットが早期に開発されたため、全国79カ所の病院と医療機関での1日の検査能力は1万7千件にのぼり、感染拡大を防ぐ決定的な役割を果たしています」
「▽感染者の徹底した経路追跡▽匿名性を維持しての経路公開▽市民への注意喚起ーなど2次感染を積極的に防ぐ対策も効果的だったと思います」