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海外報道紹介☆共産中国建国60年-世界における中国の位置(下)

2009年10月23日 06時45分18秒 | 英字新聞と英語の雑誌から(~2010年)


None of this is to deny that China is playing a constructive—and vital—role on a number of international fronts. A year ago there was much scepticism about whether the huge fiscal boost it announced for its economy was genuine. Its insistence that its main role in responding to the crisis would be to keep China’s economy growing smacked of an excuse for inaction. The stimulus, however, did prove real and effective (though it was imposed without debate).

Also, China has been a helpful part of the global recovery effort. At last month’s G20 summit in Pittsburgh it even signed a communiqué committing itself to a process of economic co-operation and IMF-assisted mutual assessment. How far China’s decision-making, opaque even to its own officials, will be submitted to outside scrutiny is questionable. But for a government so fiercely insistent on the inviolability of its own sovereignty, this was a big step.

It has also softened this same principle as applied to some of its nastier diplomatic friends, such as Myanmar and Sudan. Flouting its hallowed doctrine of “non-interference”, it has nudged them into slightly less hostile stances towards the West. North Korea would probably not be a nuclear power today if China had been prepared to exert more pressure on it in the past. But at least China now plays host to the six-party process aimed at getting it to ditch its nukes, and is trying to bring it back to the negotiating table.・・・


もちろん、これらの事実によっても、支那が多くの国際的な諸問題を解決する場面で、建設的-あるいは、死活的に重要な-役割を果たしていることは否定されようもない。1年前【の世界金融危機の際】、支那の経済は張子の虎ではなく本物であると支那が述べた支那経済が巨大な牽引車になるかどうかに関しては懐疑的な声もむしろ少なくなかった。また、世界金融危機に対処する上で支那の主な役割はその経済成長を持続させることだという支那の主張は些か何もしないための言い訳と受け取る向きもあった。けれども、(最早それは議論の余地なく認められるべきことであるが)支那という刺激は実際に存在したし、それは実に効果的であった。

更に、世界金融危機からの脱却において支那はその一翼を担った。すなわち、先月【2009年9月】ピッツバーグで行なわれたG20サミットで、支那は経済協力とIMFによる相互金融保証に支那も積極的に参画することも含まれている共同声明に署名したのである。実際、支那の政策決定はその政府高官にとってさえも不透明なものであるが、而して、支那の政策決定の【内容と成果】が支那以外の監視・評価機関にどれくらいの早さで提出されるのかは不明なままであるが、自己の国家主権の不可侵性を強烈に主張してきた国にとって、支那のG20での行動は【大国としての振る舞いを支那が恒常化させるための】大きな一歩だったと言うべきであろう。

ことほど左様に、支那は、国家主権の不可侵という原則を【国際社会における大国に相応しく修正することなく】外交的にやっかいなその友好国、すなわち、ミャンマーやスーダンには適用してきている。「内政不干渉」という神聖なる原則を援用することで、欧米よりは心持ち敵対的ではない関係をこれらの国との間で構築してきたのだ。おそらく、支那が北朝鮮に対してより大きな圧力を過去に加えたとすれば、今日、北朝鮮が核保有国になることはなかっただろう。しかし、少なくとも支那は、現在、北朝鮮に核兵器を放棄させるための6ヵ国協議のホスト役を務めており、而して、北朝鮮を6ヵ国協議のテーブルに戻るように促している。(中略)


Yet as a constructive international partner in multilateral diplomacy, China still seems to dabble—to pick and choose the issues where it is willing to help. It will find expectations running ahead of it: the more it proves it can contribute, the more will be demanded of it. There is no shortage of issues, from climate change to virus-containment, where its role is crucial. But the image that it would like to cultivate, as a responsible, unthreatening, emergent superpower, is constantly being undercut by two of its leaders’ habits.

One is the knee-jerk resort to hysterical propaganda and reprisals when a foreign country displeases it by criticising its appalling treatment of political dissidents, or accepts a visit from the Dalai Lama or other objects of the Communist Party’s venom.

The other is its readiness to put its perceived economic self-interest ahead of strategic common sense. That is the message from its reluctance to contemplate sanctions against Iran. Much as it would abhor a nuclear-armed Iran, China does not want to jeopardise important supplies of oil and gas. And this is merely one among many countries, especially in Africa, where China may be suppressing its global political influence for the mirage of energy security.


要するに、多国間外交における国際的で生産的な当事者として、支那はいまだにジタバタしており、支那が積極的に関知し尽力したい問題を選り好みしているように見える。支那は支那に対する世界から寄せられている期待が現状よりも遥かに大きいことに早晩気づくだろう。畢竟、支那がより多くの貢献をできることを証明すればするだけ、支那に寄せられる期待はより大きなものとなるはずだからだ。実際、気候変動からウイルスによる疫病の封じ込めに至るまで、支那が枢要な役割を果たすべき国際的な課題にはこと欠かないのである。けれども、支那が世界からそう見られたいものだと考えている自己イメージ、蓋し、責任感のある、脅迫的ではない、新興の大国という自己イメージは、その指導者達の二つの行動パターンによって決まって損なわれてきている。

すなわち、支那のイメージを損なっているものの一つは、支那と政治的意見を異にしている人物や国に対する常軌を逸脱した支那の扱いを批判することで他国が支那の機嫌を損じた場合、あるいは、共産党の憎しみの対象たるダライ・ラマやその他の人物の入国を認めた場合などに示される、ほとんど条件反射的な支那の狂乱状態でのプロパガンダの援用である。

而して、他の一つは、戦略的で健全な常識よりも目先の自己の経済的な利益を優先させる傾向である。イランに対する制裁の目論見に支那がそう積極的とは言えないことは、正に、この目先の自国の経済利益優先の帰結に他ならない。核保有国イランという事態よりも、支那は石油と天然ガスの重要な供給を失いたくないと考えているのである。そして、イラク制裁に支那が乗り気ではない事態は、エネルギー安全保障の幻想と引き換えに支那がその地球規模の政治的影響力を拡大できないでいる、多くの国を巡る問題の単なる一つの例にすぎない。就中、アフリカでは支那のこの行動パターンがしばしば観察されるのである。


China’s leaders rightly point out that theirs is still a poor country which will naturally give priority to lifting its economic development. And this in one sense answers the question about the message conveyed by the National Day parade: its main audience was not the outside world, but China’s own people. With no popular mandate, the government’s legitimacy relies on its record in making China richer and stronger.

The display of strength, showing how well it has done in this, hints at its own lack of confidence. For those worried about where China’s rise might lead, that the government is so insecure is not a comforting thought.


その指導者達が正しく指摘しているように、いまだに支那は当然ながら経済成長に最優先の優先順位を与えざるをえない貧しい国である。而して、このことは建国記念日の軍事パレードが発信しているメッセージを巡る疑問に解答を与える。すなわち、当該の軍事パレードの主な観衆は他国ではなく支那の人民に他ならないということだ。広く一般に共感を与える国家の使命を欠いている支那において、政府の正当性は支那をより豊かでより強い国にしつつあるという事実に依存することになる。

ならば、強国であることの誇示、而して、いかにして政府がそれを成し遂げつつあるのかの展示は支那政府の自信のなさの裏面なのである。よって、支那の興隆という事態が世界をどう変容させるかに思い悩んでいる人々にとって、この支那政府の不安定さはあまり愉快な事柄ではないのである。




■参考記事

・海外報道紹介☆人民元の基軸通貨化戦略と中国の経済覇権
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58502751.html

・<中国>という現象☆中華主義とナショナリズム
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/53505603.html

・中国の空母建造と朝日の空疎な姑息
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56462371.html


・中韓との友好関係構築の特効薬としての首相靖国参拝
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/1608539.html

・靖国参拝が正常化させつつある日中関係を「不毛」と嘆く倒錯した朝日新聞社説
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/3455015.html

・日中関係の<悪化>は外交の失敗か? 二人の「一さん」の提言を検討する(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/1893845.html





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