【読解躓きの石】
日本人にとっての、躓きの石、比較表現を復習しておきましょう。
ポイントは記事タイトル自体に憑依しています。
Under-20 Women's World Cup
何を言いたいの、って?
はい、この「Under-20」の意味分かりますか?
要は、「Under-20」の意味は次のどちらなの?
・20歳未満
・20歳以下
正解は「ある大会が開催される年の1月1日時点でもって満20歳以下」です。だから、Under-20 Women's World Cupが開幕した時点で20歳になっていたヤンなでの主将・藤田のぞみちゃん(1992年2月21日生まれ)は今大会の出場資格があったのに対して、学年的には1学年しか違わないのに、最早、フル代表、なでしこジャパンのディフェンスの中心選手でもある熊谷紗希ちゃん(1990年10月17日)には、2012年どころか2011年のお正月時点で「at any "Under-20" tournament」の出場資格はなかったのです。
ということで以下は基本の確認。
・20より大きい:more than 20
・20以上:(equal to)20 or more than 20
・20以下:(equal to)20 or less than 20
・20未満:less than 20
・under 20=less than 20
・over 20= more than 20
では、betweenの場合は?
はい、betweenを使った表現の場合には、(1)「数学」のコンテクストで使われる場合と、(2)日常生活のコンテクストで使われる場合では意味・用法が異なります。というか、そう考えていた方が無難です(笑)。
(1)数学バージョン
the numbers between 2 and 9(=the numbers from 3 through 8)
要は、「between A and B」ではAとBは含まれない。
(2)日常バージョン
Between Jan. 1 and March 31, there were 359 car accidents in this prefecture.
(1月1日から3月31日の間、当県内では359件の自動車事故があった)
要は、「between A and B」でAとBも含まれる。
Between 30 and 40 people were there.
(30~40人の人間がそこにいた)
要は、「between A and B」では「AとBが含まれるかどうか」
さえも、話者や聞き手にとって曖昧。
尚、前置詞の「through」ほど白黒明確ではないものの、前置詞の「by,till,from,to」の直後に日付が来る場合(例えば、by April 1)、その明示されている日は件の期間に含まれるとされます(例えば、「April 1」は「by April 1」に含まれる)。より正確に言えば、「その日を含んでいると聞き手や読み手が理解しても、話者や書き手は文句を言えない!」ということ。
それに対して「before, after」 は含まないとされる。より正確に言えば、「その日を含んでいないと聞き手や読み手が理解しても、話者や書き手は文句を言えない!」ということ。
日常生活のコンテクストでは、しかし 例えば、「from 10th to 15th」では 10日や15日が含まれるのか含まれないのか曖昧・微妙なこともままある。よって、契約書作成の場合だけではなくて、「10日と15日も含まれるんだよ/含まれないんだよ、分からなかったの、あんー!」と、「読者や聞き手に文句を言いたい」のならこういう場合は、 includingとexcludingを添えてガチガチに意味の脇を固めることになります。些か無粋ですけどね。
from and including 10th to and including 15th
from and excluding 10th to and excluding 15th
(10日と15日を含め、10日から15日の間)
(10日と15日は含まず、11日から14日の間)
【和訳】
日本、U-20 Women's World Cup3位入賞を果たす
押し寄せる波のような後半の攻撃に耐え、日曜日【2012年9月8日】に日本はナイジェリアを「2対1」でうっちゃってUnder-20 Women's World Cup3位の座をつかんだ。日本にとってこの成績は、これまで参加した「20歳未満のサッカー女子ワールドカップ大会」の中でも過去最高のものである。
草木もぐったりするほどの残暑に包まれた国立競技場、得点能力に秀でた田中陽子が決めた先制点によって日本チームは順調に滑り出す。後半開始ほどなく、道上彩花に代わってピッチに登場したばかりの西川明花の追加点がそれに続く。
ナイジェリアはDesire Oparanozieの得点で1点を返すものの、2010年の【前回の】Under-20 Women's World Cup大会で苦杯を舐めたこのアフリカのチームへの復讐に燃える日本チームは最後まで持ちこたえたのである。前回大会では、決勝のドイツ戦こそ「0-2」で破れはしたもののナイジェリアが決勝に進出したのに比べ、ヤングなでしこは予選グループの段階で敗退したのだけれども。(中略)
日本は、準決勝のドイツ戦の敗北、心が折れたとしても不思議ではないその手痛い敗戦を引きずることなく、試合開始直後から理想的な滑り出しを見せる。というのも、試合開始3分後には横山久美が道上にパスを華麗に通したのだから。もっとも、ヤンなで攻撃陣の一角を占める道上は横山からのパスを完璧には受け止めることができず、而して、ナイジェリアのゴールキーパーIbubeleye Whyteは、ドリブルで自分をかわそうとする道上のその足下でボールを押さえ込んだ。
道上への横山の見事なパスとWhyteの守備の攻防。この攻防の直後、あわや得点という局面を今度はナイジェリアが作り出す。Oparanozieのフリーキックがポストを叩いたのだ。けれど、この試合の先取点をあげたのは日本の方だった。田中陽子が自身今大会6点目となる先制ゴールをあげたのだから。
その先制点は試合開始24分のこと。今大会、敗れたドイツとの準決勝を除くすべての試合で得点をあげてきたこの19歳がまたしてもゴールを決める。田中が作り出した水平距離25メートルの力強い放物線が、相手キーパーWhyteの手をはじいてゴールの右ポスト内側のネットを揺らしたのだ。
「ボールを蹴ったらゴールに飛び込んじゃいました。でも、わたしの得点でチームが勢いづく結果になったのは嬉しいです」「うちら、幾つかミスが重なったこともあって消極的になってたじゃないですか。だから、わたしの得点をきっかけにして、そんな試合展開から自分達らしい試合運びに移行できたのも嬉しいかも、です」と、試合後、田中は語った。
開催国の日本は後半開始5分にそのリードを2倍に広げる。柴田華絵が通したスルーパスを受ける西川。その受けたボールを、Whyteが飛び出してくるのを見た西川が少し浮かしてゴールに流し込んだのだ。
「この試合途中からの出場だったじゃないですか。だから絶対得点決めてやろうって思ってたんですよ」そう西川は話してくれた。「相手には勢いがあったけど、うちらのチームはチーム一丸となって守ったし、実際、守りきったと思いません。でもって、この試合の経験が将来役に立つんじゃない、って思うんですよね」とも。
濃厚な緊張感が漂う試合終盤、試合終了まで17分余りという所でナイジェリアが一矢報いる。Oparanozieのフリーキックがそのままゴールに飛び込んだのだ。けれど、試合終盤の怒濤の攻撃にもかかわらずこの試合でナイジェリアが勝利をつかむことはできなかった。(後略)
◆解題
なでしこ人気は止まる所を知らないようにも見えます。なにより、ここで紹介した 2012 FIFA U-20 Women's World Cupでの「ヤンなで」ブレークでその傾向は益々加速されたと見る向きもあるようです。一人の女子サッカーマニアとしては、もし本当にそうなってくれるのなら私も嬉しいです。
けれども、女子サッカーを取り巻く現実がそうそう「薔薇色」のものばかりではないことを些か知っている身には、そうそう楽天的な気分でもいられないのです。
・なでしこの澤選手が引退撤回-続けるのは自由だけど、日本代表入りは自制して欲しいかも?
http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11326762057.html
・なでしこジャパンの主将<宮間あや>に見る女子サッカーの無限の未来と乏しい現実
http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11327321328.html
このアンビバレントな私の認識や感慨については上の拙稿をご一読いただければと思いますが、この点私は、
「今回の女子サッカー人気もまたバブルではないと誰が言える」あるいは「現下のなでしこブームやヤンなで人気が幸いにして一過性のものではないとしても、その女子サッカーに対する<追い風>が、数世代にわたって選手と指導者を育成していく体制の構築(そのためにも、日本の女子サッカー人口をドイツやアメリカのそれらに匹敵する規模と質にする裾野の拡大)につながらないようなら、そのブームは、少なくとも、世界大会でのなでしこや「ヤンなで」の今後の活躍とはリンクしない類の<徒花的の追い風>にすぎないのではなかろうか」、と。
そう私は考えています。而して、この私の危惧は、早くも「守りに入ったのか!」と疑わずにはいられない(よって、他国がどんどん強くなっていく現実を踏まえれば「女子サッカーの力量において日本は縮小再生産過程に入った」と危惧せざるを得ない)、今般の佐々木則夫氏のなでしこジャパン監督続投という事態を前にしては単なる杞憂には終わらないのではないか。もちろん、2011年ワールドカップと2012年のロンドンオリンピックでなでしこに大輪の華を咲かせた佐々木氏の功績は不朽のものであることは言うまでもありませんけれどもね。
何より、(2012 FIFA U-20 Women's World Cupの後のコメントとして、例えば、ヤンなでの中心選手の一人、猶本光ちゃんが「ナイジェリアやドイツの選手の身体能力は衝撃だった。そのレベルに達しないと世界に通用しないと感じた」と話していることに赤裸々でしょうけれど、)実際、世界の他の有力国と比べて、実は、日本チームは端からそれほど恵まれた状況にあるわけではないのです。而して、この現実を看過しない限り、「守りに入った段階」ですでに、年代を問わずサッカー女子日本代表の凋落は避けようがないことなの、鴨。と、そう私は考えています。以下、資料記事の転記。
▼なでしこ佐々木監督続投!W杯連覇だ
日本サッカー協会は1日、交渉中だったなでしこジャパン佐々木則夫監督(54)の続投を発表した。この日、東京・文京区のJFAハウスで会見。佐々木監督は「次のW杯カナダ大会優勝を目指してスタートしたい」と決意を新たにした。8月11日にロンドン五輪から帰国後、正式に続投オファーを受けたが「(07年12月から)チームを率いてきた節目の中で、選手たちにメダルをかけてあげられて安堵していた。今後も継続して情熱をもって次のステップにいけるかどうか、最初は自信が無かったのも現実。いろいろな人からの声で、そんなに期待されているのかというのを感じた。(なでしこジャパンを)改善、修正、日本女子サッカー界の発展にさらに寄与できるのかを自問自答していた」と悩んだ約3カ月を振り返った。
(日刊スポーツ・2012年11月1日)
▼なでしこ佐々木監督「俺とやれるのか?」
なでしこジャパンの監督続投が決まった佐々木則夫監督(54)が、年内にも国民栄誉賞メンバーを対象にした“個人面談行脚”を検討していることが判明した。2015年カナダ女子W杯と16年リオデジャネイロ五輪に向けたチーム作りを行う中、世代交代を視野に入れる指揮官はMF沢穂希(34=INAC神戸)ら、これまでの主力選手の選別作業に着手。選手に「再び共闘して、世界の頂点を目指せるか?」と意思確認するというのだ。・・・
指揮官と主力選手たちは強固な関係を築き、W杯優勝、ロンドン五輪銀メダルと実績を残してきた。あらためての面談は不要にも見えるが、あえて行う裏にはこんな理由がある。実は、今回の佐々木監督の続投については、選手たちの間でも反応はさまざま。代表選出のボーダーライン上の選手は「今度は自分がという思いがあるから、また一緒にやりたい」と歓迎するが、一方で「ノリさんの続投だけは絶対にないと思っていた。一緒にやるという気持ちになれるか微妙なところ」と漏らす選手がいるのも事実だ。
ロンドン五輪直前に「佐々木監督が五輪で勇退」の情報が流れると、選手たちは指揮官の花道を飾ろうと結束した。それが一転、続投となっては複雑な感情を抱く選手がいてもおかしくなく、それらの選手の“本音”を見極める必要がある。
また、ヤングなでしこで活躍したMF田中陽子(19=INAC神戸)を抜てきしようとしても、沢やFW大野忍(28=INAC神戸)、MF宮間あや(27=岡山湯郷)ら主力選手との実力差は大きく、外す理由は見当たらない。年齢的な不安を抱える沢たちに3~4年後の大目標を目指す意気込みがあるか、腹を割って聞き出すようだ。
(東スポ・2012年11月10日)
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