快風丸

俺の船に乗らないか。

芸術新潮’85.07

2008-06-04 00:00:01 | Weblog
 さてシルヴァー号はお昼前に名古屋市美術館へ着陸。
モディリアーニ展の最終日だ。この日、ジロディタリアも最終日だ。イタリアおよび最終づくしか。

 最終日にしては入りが悪いな。ま、お昼時だしな、でもその後も思ったほどいっぱいじゃなかったな。おかげでゆっくり見れました。

 今回は、みっちり予習してきました。学生のころ、なんとなく
「なぜ首が長い?モディリアーニの秘密」
という特集が気になり、芸術新潮を買った。なんとなくいつか読もうと思いつつ、何度引っ越ししても常に手元にあった。23年の時を経て、やっと読むべき時が来た。

 アルコールと麻薬におぼれて才能はありながら自滅したナルシストだと思っていた。冷たく硬い感じがしてた。それは、ただ一面から見たイメージにしかすぎないとわかった。
 幼少のころからイタリアの古典絵画を学び、パリに渡り、プリミティブアートに出合い、彫刻家を目指しあきらめ、絵画へと戻った。

 ほとんどが正面からみた人物像。
僕は、優しい絵だなと思った。絵の中の人物の孤独が見えた。自分の内面を見つめるジャンヌ・エピュテルヌが、まったく力強いカリアティードたちがいた。みな暖かかった。

 なけなしの金で図録を買った。昼飯を抜くことにした。午後2時の日差しは柔らかく、美術館の白い壁はやさしくもまぶしかった。

 さあ帰ろう、シルヴァー号。