快風丸

俺の船に乗らないか。

好きになってはいけないひとを

2009-03-27 23:28:39 | Weblog
 俺、パンクなんだ。デストロイでアナーキー、ファックオフでノーフューチャーでアンチクライストなんだ。

 去年、TVで見てしまったんだ。全国中学校合唱コンクールのドキュメントを。
たまたま点けたらやってたんだ。パンクロッカーはそんなの見ないんだよ。
 すごい田舎の学校で、生徒なんか10人くらいで、それがとても一生懸命歌うんだ。手紙がどうしたこうしたとかなんとか、幸せがどうとか、悩みが、青春がとか、知らない歌だったんだけど。

 俺はパンクなんで、そういううそくさい空ぞらしいのはファックオフなんだ。
TV見ながら感動したり、泣いたりしないんだよ。小学生のころ、合唱団で歌ってた過去を思い出したりしないんだよ。初めて市民会館のステージで発表会、オペレッタを演じて、拍手喝采を浴びた過去なんかデストロイなんだよ。

 このことは誰にも言わないでほしい。俺はこの手紙がどうしたなんちゅうノーフューチャーな歌が好きになったんだ。そんなはずはないと自分に言い聞かせたよ。なんせ俺はアナーキーでアンチクライストなんだよ。

 でもこの歌はね、よく聞いてみるとね甘く切ない青春の歌じゃないことがわかったんだ。さわやかな午後のサイダーみたいなね、子供だましのまやかし砂糖菓子じゃないんだ。ちょっと苦いのだ。この歌を作った人はきっとずいぶん辛かったんだろうなってね。ずいぶんと頭の良い人みたいで、とても耳ざわりの良い言葉を選んでいるが、そこに込められた思いは決して軽いものではないと直感するのです。

 アンジェラ・アキさんが好きだ。
深くて暗い思いを選び抜いた言葉に乗せ、堂々のメロディと、ピアノ、そしてストレートで力強い声。アルバムの他の曲もいいですよ。

 あああ、言っちゃった。秘密だよ。

お帰りなさいおおたかさん

2009-03-27 00:15:45 | Weblog
 帰り道に、チケットショップへ。ついでに同じビル内の中古CD屋さんへ。
ここはときどき冷やかしに来ている。無目的に、あれこれと、ちょっとマニアックなものがあったりするので。

 おおたか静流さんの「REPEAT PERFORMANCE」を買いました。
¥750。’92の作品。おおたかさんはTVコマーシャルの歌を多く手がけたシンガーです。このころ、カセットテープかなにかのCMで喜納昌吉の「花」を歌ってました。澄んだハイトーンボイスがとても印象にのこりました。

 CD発売直後に買いました。まだ名古屋に来て間もないころでした。
カヴァー曲がメインでとても良い選曲なのです。「悲しくてやりきれない」、「ゴンドラの唄」、「夜来香」、「アカシアの雨がやむとき」、など。
「ブンガワンソロ」では詞も書いておられます。

 歌だけでなく言葉の感性も素晴らしいです。
このCDが大好きでよく聞いてましたが、その数ヶ月後にふとした不注意で無くしてしまったのでした。

 信じられない偶然でした。ケースも歌詞カードも新品みたいに美しい。
久しぶりに聞くおおたかさんの歌は、優しくて、やわらかくて、強くて、とても心地よいです。

 お帰りなさい、おおたかさん。

 http://www.songbirds.ne.jp/sizzle/sizzle.html