自分の周りの空を写します
北東気流の街に生まれて
映画「プリズン・サークル」を観ての感想
僕は正直な所、感動する程には理解出来ませんでした。もう1,2回観ないと本当には分からないかなと思いました。
でも対話の大切さは有るなと思いました。
顔をぼかして受刑者を撮影している。彼らがTCと呼ばれるプログラムに参加している様子を撮影していました。
最後に顔出ししている人もいてそれなら初めからぼかし無しで良かったのではとも思いましたが受刑者も精神障碍者と同じくそれ以上に偏見が大きいだろうから仕方ないのでしょう。
僕は映画を観ていて一人の女性支援者をずっと見ていました。
受刑者の語りをじっと聞いて時にうなずいたりたまに微笑んだりしていました。
その姿に僕は僕がお世話に成った職員を思い出しました。
その人は女子大生でボランティアで僕の精神科病院デイケアに来ていました。
彼女はバンドでベースを弾いているというので僕は一生懸命彼女が来る曜日、確か火曜日に毎週音楽の話をしました。
僕は精神科に入院していた時に僕が本当に行きたかったブルース・スプリングスティーンのコンサートがありチケットを必死で取ったのに病院を出してもらえずライブを観に行かれなかった。
それ以来僕は無気力に成り、音楽の話もしなかった。
それが彼女のおかげで音楽の話をするのは楽しいなと思い、他のミュージシャンのコンサートに行くように成り、一緒にライブに行く女性も出来ました。その女性はお見合いして結婚してしまいましたが。
そして今では僕はアメリカにブルース・スプリングスティーンのライブを観に行けるように成りました。
べてるの家では職員のおかげで回復しましたと言う患者は予後が悪いと言われますが、僕はその職員さんのおかげで希望もやる気も見出しました。
そういう女性を僕はこの「プリズン・サークル」で思い出しました。
この映画ではTCと呼ばれるプログラムで受刑者同士が語り合う。
向き合うのがきつい事柄にも目を向けさせられる。
でも受刑者同士が切磋琢磨し合って言い合っているように思いました。
このプログラムでは場が荒れないように細心の注意をはらいながら参加者に自分の思い、自分の過去、子供時代を語らせているように思いました。
やはり僕は語ることでしか解決しないことがあると思います。
その為には安心安全な場でしか話せないのだからその場を提供する。そしてその場を守る職員さんが必要だと思います。
でも僕は職員さんには感謝している人が何人もいるけれど、同じ仲間にそれほど共感し合える人がいない。
それで僕はこの映画を観てお世話に成った職員さんを思い出した。
これから僕はここ浦河で伴に生きる仲間を作れたらいいなと思います。
その為に仲間を第一優先にしようと思います。
こんなことを思うのもこの映画の刑務所TCプログラムが僕が親しく通っていた30年前の精神科デイケアに似ていたのかなと思ったりもしました。
でもお世話に成った職員さんもそろそろ定年を迎える年齢。最後連絡を取ってお礼を伝えようと思います。
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