漁船銃撃・拿捕 露検察、拘束の乗組員3人訴追へ (08/17 20:45)産経
【モスクワ=内藤泰朗】北方領土・貝殻島付近で北海道根室市のカニかご漁船「第31吉進丸」がロシア国境警備廷に銃撃を受けて拿捕(だほ)された事件で、イタル・タス通信は17日、拘束されている乗組員ら3人が密漁と密輸、領海侵犯の罪で訴追されるとの見通しを伝えた。
在ユジノサハリンスク日本総領事館によると、ロシア側は同日までに、警備艇の銃撃で死亡した乗組員、盛田光広さん(35)の遺体をできるだけ早期に日本側に引き渡す意向を示した。
同通信によると、国後(くなしり)島ユジノクリリスク(古釜布)の軍事検察官は17日、坂下登船長ら3人を密漁と領海侵犯の容疑で取り調べていることを明らかにし、同日中にも訴追に向け捜査を開始する正式決定が下されると語った。 別の軍事検察官は、坂下船長を含む3人が「何をしていたかを供述している」と述べ、密漁目的でロシア領海を侵犯した容疑を認めつつあることを示唆した。
また、インタファクス通信によると、ロシア・サハリン州の検察当局者は17日、乗組員3人に対する捜査結果が19日以降に明らかになるとの見通しを語った。法律で定められた3日間の審理期間を最大限に利用するためだという。
3人は、日本政府の支援で古釜布に建設され、北方領土へのビザなし交流事業に使われる「友好の家」の4人部屋に軟禁状態に置かれ、当局の取り調べを受けている。死亡した盛田さんは、同市の病院に安置されているという。
3人が今後ロシアの司法手続きを受ける場合、拘束が長期化する可能性がある。
日本の領海で操業中に領海侵犯として殺害され、拿捕された。
【主張】露の漁船銃撃 ソ連を彷彿させる蛮行だ 2006/08/17産経より 一部
プーチン政権は現在、「4島の主権はすべてロシア側にあり、それは国際法で確定されている」と歴史をねじ曲げた一方的な言い分に終始している。歴代ソ連政権同様の高圧的な立場に沿って4島海域の監視・警備態勢もここ数年、強化されたといわれていた。
今回の銃撃がロシア側のこうした雰囲気の中での問答無用的な発砲だった可能性はないのか、ロシア側に厳正な調査を要求すべきだ。
一時、プーチンはこのように言っていた。
プーチン大統領、領土問題解決に前向き姿勢 2006年03月27日20時24分 asahi.com
ロシアのプーチン大統領は27日、森前首相や奥田碩・日本経団連会長ら日ロ両国の政治家や経済人でつくる「日ロ賢人会議」に出席した。大統領は北方領土問題を念頭に「ロシアは日本との間にあるすべての問題の解決をめざしている」と述べ、解決に向け努力を続ける姿勢を強調した。「両国が二国間関係を構築しようとしている時に(領土問題が未解決のため)平和条約がないことが残念だ」とも述べた。
賢人会議後の大統領は森氏と会談。森氏は東シベリア―太平洋岸間のパイプライン構想のアムール州以東の第2段階の建設について「日本の公的な資金が必要になる。7月の主要国首脳会議(G8サミット)かその前に日ロ両政府が強力にこの構想を進めるという合意書を取り交わすことが望ましい」と語った。
そして、ロシアも今や歴史をねじ曲げる発言を繰り返すようになった。
北方領土は、終戦後に火事場泥棒のように独裁者スターリンが日ソ中立条約を一方的に破って四島を不法奪取した。
「四島返還」以外の選択肢はないはず。