2006/08/19 朝鮮日報より
ここまで批判される大統領もいるのだ。竹島問題や靖国で声高に叫び自国民の矛先をそらそうとしていたのがわかるような気がする。
日本にも他山の石とすべき議員がいるように思う。
【社説】「私が犯した間違いがあるなら指摘してみてほしい」
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は最近、ハンギョレ、京郷(キョンヒャン)、ソウル、韓国の日刊新聞4紙の論説委員に会い、「私の支持率がとても低くいが故に、戦時作戦統制権の還元(単独行使)のような正しい政策も攻撃の対象となる。私が憎いから、政策まで憎いという状況になっている」と話した。
ヨルリン・ウリ党は今年5月の統一地方選挙に惨敗したのは、大増税政策、韓米同盟を脅かす外交政策が世論に背を向けられたためだと分析した。大統領が国民の意見とかけ離れた政策を推し進めているが故に、任期満了までまだ1年半を残しているにもかかわらず、大統領の支持率が10%台を低迷しているという話だ。
ところが大統領は、支持率が低すぎるために政策が受け入れられないでいるという正反対の話をしている。
大統領は「私が犯した間違いがあるなら一度指摘してみてほしい。私の任期中に生じた問題といえば成人ゲームセンターの商品券問題くらいしかない」といった。
今年1年の間、大統領が世論の反発を買う人事を行ったため、ヨルリン・ウリ党が問題を提起した例だけでも一度や二度ではない。現政権の初代外交部長官や初代駐米大使、初代大統領府国防補佐官は、大統領の「自主」に対する異常な執着が国際社会で韓国を孤立させ、韓国の安保を脅かしていると話す。
大統領の失政を指摘する声は数多く上がっているのに、大統領側はこうした話には耳をふさぎ、「不祥事といえば成人ゲームセンターの商品券問題だけ」と居直っている。
大統領は「誰が政権についても同じだ。次の政権でもそれは同じだ。次が誰になろうと、やれるものならやってみろといういじけた気持ちもあるが、うまく引き継いでやろうという思いやりも持っている。大統領府の新体制、メディアとの新しい関係などをしっかり構築し、後任者にバトンタッチしたい」と語った。
どうしたら、ここまで国民の意見とかい離した思考ができるのだろうか。
今この国が何をやってもうまくいかない理由が、現政権の機能不全、なかでも大統領府のいびつな体制や批判メディアへの圧迫政策にあるということは、大統領府関係者以外の誰もが知っている事実だ。そのいびつな体制を、まるで次期政権へのすばらしい置きみやげのように話す姿を見ると、もう言葉を失うしかない。
大統領は「任期ももう終わりに近づいた。残りの任期で改革政策を推進するのは難しいので、今後はこれまで行ってきた政策の調整だけに専念したい」と語った。
これまで聞いた話のうち、最も歓迎できる発言だ。この政権が引き起こした国政の混乱に、国民はもう疲れ切っている。残りの1年半は少しおとなしくしてくれると言うなら、不幸中の幸いだと思うしかない。
しかし盧武鉉大統領は言葉とは裏腹に、戦時作戦統制権の単独行使を強引に推し進め、50年以上にわたって大韓民国の存続と繁栄を支えてきた韓米同盟を脅かしている。結局のところ大統領は、自分が何を間違ったのかも、今どんな失敗を犯しているのかも、まったくわかっていないのだ。
まだこれから1年半もこんな大統領に耐えていかなければならないわれわれの境遇が恨めしいかぎりだ。
ここまで批判される大統領もいるのだ。竹島問題や靖国で声高に叫び自国民の矛先をそらそうとしていたのがわかるような気がする。
日本にも他山の石とすべき議員がいるように思う。