落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

「ムバラク退陣」とNHK

2011年02月12日 | 政治・外交
花岡信昭メールマガジン884号 より
http://www.melma.com/backnumber_142868_5104089/
<<ムバラク退陣でNHKも死んだ>>
 11日は明け方まで仕事していて、休日だから昼過ぎまで寝ていた。
 起きだして新聞を見ると、朝毎読3紙が「ムバラク大統領辞任へ」と1面トップで大きくいっている。(産経と日経は1面準トップ扱い)
 これは歴史的な1日になるとテレビをつける。

 地上波はいつも通りの番組。CSの民放系ニュース局にまわす。ここも定時ニュースの中で扱うだけ。
 こういうときはCNNかBBCだ。やはり、エジプトの特別番組を延々とやっている。現地からの中継映像だと、広場には多くの国民が依然として集結している。
 午後3時になってNHKニュース。なんとエジプト情勢のニュースは出てこない。
 またCNNに戻して見る。
 ムバラクは権限を副大統領にゆずるものの、名誉職的な国家元首として居残りをはかっているらしい。それを国民が許さず、緊張が続いている。
 ムバラク独裁体制が崩壊して、民主化されれば結構だが、怖いのはエジプトの「イラン化」だ。イスラム原理主義勢力が出てくると、アラブの盟主の国際的立場はがらりと変わってしまう。

 日本のテレビを見ていても、世界の動きは分からない。CNNやBBCに頼ることになる。これが日本のテレビジャーナリズムの実態だ。
 NHKは日本版のCNNをつくればいい。これは国際的な取材体制が完備しているNHKしかできない。波をたくさん持っているのだから、1局だけニュース専門局にする。
 そうすれば、NHK批判もだいぶおさまるのではないか。

 ついでにもうひとつ。欧米のテレビは成熟した知的イメージを持ったそれなりの年齢の女性キャスターがニュースを伝えている。
 日本のテレビは「女子アナ」なる「子ども」がたどたどしくやっている。取材経験などまったくないことがよく分かる。
 ニュースを女子アナの練習場にしていると、しっぺがえしがくる。

そして・・・
 12日午前1時、ついにムバラク大統領が辞任した。
 携帯のニュース速報を見て、テレビをつける。案の定、NHKは速報テロップがはいっただけ。
 CNN、BBCは「ブレイキングニュース」を当然ながらやっている。
 NHKはお笑い芸人の舞台裏をルポした番組をそのまま続けている。
 念のため、ほかの民放やBSを回してみたが、特番をやっているところはどこにもない。せいぜい、CSの民放系ニュース局でニュースの枠内でやっているだけだ。

 この1時間半前に、エジプト当局から「重大発表がある」という声明が出ていた。この時点での重大発表となれば、ムバラク辞任しかない。
 NHKは特番を組もうと思えば、十分に余裕があったはずだ。それよりもなによりも、1日前からムバラク辞任の可能性が伝えられていたのである。
 11日午後7時のニュース。トップは目黒の老夫婦殺傷事件の犯人逮捕、次いで大雪関連。エジプト情勢はその次だった。この完全な内向き姿勢。これでいいのか。
 NHKは国際的存在ではなかったのか。この歴史的瞬間で特番を組まないようでは、NHKの名が泣く。とにかく世界に通用する放送局とはいえなくなる。

 チュニジアに始まった「ネット革命」がアラブの盟主エジプトに及んだのである。
 これで中東のほかの独裁的国家の行方が一段とクローズアップされることになる。
 アメリカとの関係が心配だ。ムバラク退陣によって、イスラム原理主義が前面に出てくることはないのか。イスラエルはどう動くか。日本との良好な関係はどうなるのか。
 中東にエネルギーを異存している日本にとっても他人事ではないのだ。これだけの歴史的国際ニュースにこれだけ無関心でいられる神経が分からない。
 CNNやBBCは国際社会に通用するテレビだが、日本を代表するはずのNHKがこのていたらくでは、日本はいよいよ国際社会の孤児となる。相手にされなくなる。


 現地からの映像を流して、専門家を呼んで解説するだけでいい。特番として難しいものではない。
 NHKは午前2時過ぎ、10分間ほどのニュースを流しただけだった。
 ムバラク退陣の日はNHKが死んだ日として歴史に残してもいい。

 新聞は質、量ともに、多角的な分析を加えた総合紙面をつくるだろう。午前1時過ぎというのは編集上は難しい時間帯だが、どこまで重厚で読者に飢餓感を与えない紙面をつくるか、編集局あげての作業となる。NHKにはその能力もないのか。

<<近ごろのざれ歌>>
 「近ごろ都にはやるもの」というざれ歌がときに出回るが、先輩からこんなのがあると一覧が送られてきた。
 さらに、ある政治家から聞いたものも含めてご紹介する。
 ネット世界ではあちこちに出ているようで、作者不詳。いろいろなパターンがある。
 最近のはやりは「タイガーマスク伊達直人と菅直人の違い」なのだという。

・虎のマスクで顔を隠すのが伊達直人 虎の威を借るのが菅直人
・贈与するのが伊達直人 増税するのが菅直人
・人情に厚いのが伊達直人 情報に疎いのが菅直人
・口を出さないのが伊達直人 口先だけなのが菅直人
・人々が絶賛するのが伊達直人 人々が絶望するのが菅直人
・国民が評価するのが伊達直人 国民が批判するのが菅直人
・後継者が出るのが伊達直人 孤立しているのが菅直人
・子どもにランドセルを贈るのが伊達直人 子どもに借金を残すのが菅直人
・言わずに置いてくるのが伊達直人 やらずに先送りするのが菅直人
・プレゼントを持参するのが伊達直人 プレゼンで自賛するのが菅直人
・正体を明かさないのが伊達直人 詳細を語れないのが菅直人

 「小沢征爾」と「小沢征爾」の違い、というのもある。
・ガンと戦っているのが小沢征爾 検察と戦っているのが小沢政治
・ガンを病めるのが小沢征爾 ガンコ辞めないのが小沢政治
・カラヤンの弟子が小沢征爾 カクエイの弟子が小沢政治
・カラヤンに師事したのが小沢征爾 仮免に指示するのが小沢政治
・聴衆を酔わせるのが小沢征爾 事情聴取されるのが小沢政治
・ハートをわしづかみするのが小沢征爾 鳩をわしづかみするのが小沢政治
・ラデツキー行進曲を振るのが小沢征爾 こげつき後進国を作るのが小沢政治
 それぞれの出来具合の判断はお任せしたい。

NHKのweb報道では、逐次出ているが、TVでは優先順位が後になっているのだろうか。

TVは老母の部屋に持っていったので、当方は殆ど見ることはなくなった。その老母も認知症で興味が薄れ、見ることもないようだ。
相撲も放送しないし、見るものは益々なくなった。
今のところ地デジ・チューナー付けてまで見たいと思わない。早く契約解除したい。