落葉松亭日記

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南極海調査捕鯨中止

2011年02月21日 | 政治・外交
日本の食料を守れぬ民主党政権、早期退陣を。

南極海調査捕鯨を中止=シー・シェパード妨害で初―政府 2011年2月18日(金)12:03(時事通信)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-110218X579.html

 政府は18日、南極海で3月中旬まで実施する予定だった今季の調査捕鯨を中止すると発表した。米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の妨害船が今月9日から調査母船「日新丸」を追い掛け続け、捕鯨活動は中断していた。SSの複数の船が連携しながら妨害を続けていることから、今季調査の再開は困難と判断した。2005年冬のシーズンの調査から始まったSSの妨害で、調査を打ち切るのは初めて。
 鹿野道彦農林水産相は18日の閣議後会見で、「現在も母船が追跡を受けており、船団の安全を確保することが困難になってきている」と指摘。ただ、来季の南極海調査捕鯨をどうするかに関しては「これから検討することだ」と述べるにとどめた。
[時事通信社]

■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2011年2月21日 NO.852号)より
http://www.melma.com/backnumber_133212_5112657/

井上政典 【調査捕鯨打ち切りは暴力に屈したと世界にアピール】

 調査捕鯨を一ヶ月の予定を切り上げ、予定数量も捕獲しないまま、今年度打ち切りとなった。これは、シーシェパードの妨害工作が乗組員が不測の事態に会いかねないとの判断のもとに決定された事です。乗組員の方々の安全を考えれば仕方ない事ですが、一つ報道が抜けていることがあります。
 今回は、海上保安官が乗船していませんでした。海上保安官が乗船していれば、発煙弾を打ち込まれたときなどに適切に対処できるのでしょうが、今回は水産庁から海上保安庁に保安官の要請がありませんでした。
 前回は、妨害船の船長を逮捕したり、きちっと反撃したり、日本もやっと目覚めたかと思わせることでしたが、今回は本当に丸腰で調査捕鯨船を妨害が当然予測できる海域に出しているのです。

 この責任は誰が取るのでしょう。

 以前、ノルウェーの商業捕鯨船がSSに妨害された時、徹底的に抗戦し、撃退しています。その後、SSは、ノルウェー船を攻撃せず、無抵抗な日本の調査捕鯨船だけを狙っています。
 これは、一体何を意味するのか一目瞭然です。
 SSは、鯨を保護する正義の味方と称しながらも、強い相手には手を出さず、無抵抗な日本船だけを狙う卑劣な暴力団なのです。それならば、日本側も毅然とした態度でその対応をするべきだと思うのですが、どうして日本政府はしないのでしょう。

・政局の混乱のために、民主党政府はこれ以上問題を増やしたくないのか。
・政局の混乱のために、不測の事態が起きても、現政権にその対応能力がないために、乗組員が極度な危険に晒されるのか。
・政局の混乱のために、武器を持って対処する方法を社民党などの反対が怖くできないのか。

 いずれにしても、日本国民を守るべき政府が民主党の内紛と国会運営のまずさなどが露呈しているために、手も足もでなくなっているのです。それは別の言葉で言えば、「政権担当能力がない」ということではないですか。
 鯨の日本史においての登場は、縄文時代に鯨類の脂肪を貯蔵した土器が発見されたり、倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)では鯨の名前が出てくるそうです。室町時代の料理本「四条流包丁書」には、最高の献立として鯨料理が紹介されていたり、長宗我部元親が豊臣秀吉に鯨を丸ごと献上したという記録も残っています。更に江戸時代には鯨油を農薬として活用したという記録も残っており、日本文化に根付いたものである事が分かります。(参考 河出書房新社「鯨の謎 イルカの秘密」)
 鯨専門店や鯨料理を出す店も日本にはたくさんあり、その方々や鯨産業に従事する人たちの生活をも守れない状態になっています。
 鯨を獲らないということは、鯨肉などの流通経路も衰退させ、何よりも日本人が古来から蓄積してきた鯨に関しての「智慧」を捨ててしまうことと同じなのです。
 一度文化が廃れたら、それを再興するのは容易ではありません。昔からある鯨食文化はそれに携わる多数の人々の生活も支えているのです。

 それを日本政府が守れないでどうする!

 海上保安官をきちっと同行させ、SSの危険行為には武器の使用の辞さないという声明をきちんと発表し、それでも日本国の財産に対して危害を加えてきた場合は、銃撃し撃退する。これを粛々とこなせば、半年でSSの活動は収束します。
 さもないと尖閣問題しかり、北方領土しかり、更にひいては拉致問題にも影響が出るのは必至です。日本は、武力で脅せば、何にもできない腰抜けの国だと無頼な国家に間違った情報を与えるでしょう。
 それはいままで日本国を守るために命を捧げた人々に対し失礼ではないでしょうか。それも歴史をないがしろにしてきたツケがまわってきているように思えてなりません。