この度の法要では、その後広島に一泊し、翌日は京都に立ち寄る計画を立てた私達です。
理想は、京都の観光を半日思う存分楽しみ、その日は京都泊。
翌日の朝、広島に出かけるのが理想でしたが、お寺さんと娘の仕事の都合上、それは叶いませんでした。。
私が、これまでの墓参帰りで、いつも採ったコースです.
帰宅後の疲労が、一番軽くて済む行程と言えばいいでしょうか。
年を重ねた上、体力もない私の事。
旅行の予定を立てる時は、無理をし過ぎないように、と注意を払います。
けれど、今後は、果たしてこのような楽しみ方さえできるかのどうか、とてもおぼつかなくなってきました。
この度の旅行では、重い荷物はすべて娘や孫が代わりに持ってくれ、私は実に身軽でいられたので、助かりましたが。
また狭窄症が再発するようなことになれば、今度こそ杖の暮らしになるのでは、と言った怖さが、いまだに付きまとっています。
この度の旅行は、皆のお蔭で、無事に終えられ、感謝一杯でした。

さて、とても楽しかった半日の京都の旅の行く先は、どこだったでしょう。
一月ほど前になるでしょうか。
男友達の親友と言ってもいいような、H君が郷里から上京した際、私にお誘いの電話がありました。
お昼食を共にし、数時間ご一緒したとき、京都のお気に入りスポットを訪ねたところ、その一つに天龍寺を挙げられたのです。
京都やパリのような伝統のある街並みが大好きで、この両都市には、幾度も訪れているH君。
その彼が勧めてくれたので、間違いないでしょう。
その話をし、私の希望が天龍寺であることをみんなに伝えました。
快く了解してくれた娘達と妹、
嵐山界隈となると、京都の郊外のような印象で、そこにたどり着くまでの時間が気になりますが・・・・・・。
彼の言う通り、京都駅からJRの電車に乗ると、数十分といった近さでした。
紅葉シーズンゆえ、予想に違わず、電車も、天龍寺に通じる道も、大変な混み様。
そのうえ、その日は一段と冷え込み、京都の底冷えが身に沁みました。
長女が突然思いつき、ホカロンを購入し、みんなに手渡してくれ、大助かりでした。

厚かましくも、妹の画像を拝借
駅からは、娘達に何も考えないでついていくだけの気楽さ。
スマホで道順を既に調べているようでしたから。
沿道には、お土産屋さんや、食べ物屋さんが軒下を連ねています。
有名な神社や寺院の通りでは、よく見かける光景ですね。
少々残念。
静かな佇まいの町家や林を抜けると、忽然とお寺が現れる。
そんな風雅な情景こそ、なんといっても京都らしくて、一番素敵。
気持ちが落ち着きますもの。
大変混雑した道をそぞろ歩きで進むうちに、天龍寺に到着。
曹洞宗天龍寺総本山のこのお寺は、足利将軍家、後醍醐天皇ゆかりの禅寺として京都五山第一位にされてきたそうです。
古都京都文化財として、世界文化遺産にも登録されています。

参道を進み、辿りついた方丈の玄関先は、よく見かける佇まい。
同じ様式の建物を、私は、これまでにもいくつか見てきました。
豊臣の寧々様の御住い、高台院や竜安寺も、入り口はそっくり。
方丈に入り、廊下を抜けると、目に広々とした素晴らしい庭園が飛びこんできました。
深紅に染まった紅葉の樹木とそれを映す大きな池(曹原池)。
池泉回遊式の庭の何と美しい事。
遠くに見渡せる亀山と嵐山の山並みが借景となり、その庭の美しさを一層引き立てています。
H君が、縁側に座って、庭を眺めているだけで、とても心が落ち着くよ、と言っていましたが、まさにその通りの光景です。
今年初めて観たと言っていい,本格的な錦繍の秋の景色。
私は、大感激、大満足と言ったところでした。

ところが、その頃から、急に雲行きが怪しくなり、時に強い雨が、地面に打ち付けます。
まさかのお天気で、私達は雨具を、コインロッカーに預けた旅行バッグの中に入れたままです。
さて困りました。

厚い雨雲に強い雨脚
こんなお天気にも、一時的に遭いました 。
ところがその雨は降ったりやんだりで、薄日も幾度か差す気まぐれなもの。
私達が移動中の時は、雨に遭わないといった幸運に恵まれ、ほとんど濡れないで済みました。
残念ながら、時間的余裕もあまりなく、お天気が心配で、庭園散策は諦めましたが。
突然、陽が差し始めたときの、雨に洗われた紅葉の艶やかさは、特別な美しさでした。

天龍寺観光の後、向かったのは、かの有名な嵐山の渡月橋。
最初、目にした橋は通行路として仕切られた人工的な白い柵が目立っていて、実に情けないもの。
とてもがっかりした私です。
その細い通路が、人、人で溢れています。
橋の上に身を置けば、きっと新しい風景が開けることでしょう。
その期待から渡り切りたい気持ちに駆られましたが、他の皆は、混雑に少々うんざしている様子。
眺めるだけでいいと言って、譲りません。
でもそれは正解でした。
少し離れた河岸から望むと、人工的な内側に設置された白い柵が通行人の蔭になり全く目立ちません。
絵葉書や写真で見る渡月橋の風景そのままでした。

山の紅葉はまだこれからでしょうか。
くすんだレンガ色の山容でした。
私には決して忘れることのできない、印象的なこの風景。
貴重な一枚の両親の新婚旅行の写真が、ここで撮られているからで
両親が何て初々しい事。
美男美女?(笑)
この時を経て、私は生を授かったのかもしれません。
そう思うと、素晴らしい景色が、一層愛おしく、大切な物に思えてきます。

とても印象的な楽しい旅も、いよいよ終わりです。
長女親子は、もう少し回りたいところがあるからとかで、駅で別れ、私と妹、次女家族は先に新幹線に乗車しました。
かれんちゃんは、長女の娘、さくらちゃんと別れる時に涙が溢れ、しばらく泣き止みませんでした。
新幹線の車中で、次女のMちゃんは、感激した面持ちで言いました。
朝、早い出発で、かれんの御機嫌が少々心配だったけれど、とても元気で、本当に楽しい二日間だった、と
良かった!。
私も、Mちゃんの言葉をかみしめ、同じ思いに浸っていました。
妹も同様の気持ちのようでした。
お天気の幸運にも恵まれた私達。
旦那さまも、みんなの元気な姿を見て、さぞ喜び、安心したことでしょう。。

おじいちゃまが大好きだった、孫娘たち。
おじいちゃまとは、特別な睦まじさがありました。
次は七回忌。
まだ、大分あります。
その頃には、孫たちは、見違えるように成長していることでしょうね。
法要忌に限らず、毎年お墓参りで帰郷したい、と強く願っている私ですが。
今後の体調次第です。
七回忌ともなると、私は老け込んで、益々おばあさんに。
そうは、なりたくありません。(笑)
杖を突かずに闊歩できるほどの、健康寿命が保たれているでしょうか。
そう願っていますが、こればかりは、神さまのみぞ知るの領域。
先々の事を心配しても仕方ありません。
今日が一番素敵の思いで、毎日を丁寧に紡ぐことだけを心がけてまいります。

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