桟橋近くの鳥羽駅から電車に乗り、神宮前の宇治山田駅に到着した私達。
伊勢お参り後、この駅にまた戻った時の事です。
郷里の市政に携わり、局長として活躍したことがあるHさんが、
「この駅が僕は好きなんだな~」
と、感慨深げに言いました。
色々な都市を視察されたに違いない彼の言葉は、とても重く、価値あるものに感じられる私です。
ちなみに、彼の口癖。
パリの街の景観に、心惹かれて止まないようです。
背景の建物が宇治山田駅です。
実は私も、この駅に到着した時点で、その魅力を一瞬に感じ、写真に収めたのでした。
風格を備えた重厚な建造物からは、歴史と伝統の重みが感じられ、まさに伊勢神宮にふさわしい駅の姿。
とても印象的でした。
けれど、ゆっくり写真を撮る時間もなく、食物の神さま、豊受大神が祭られている外宮へと向かった私達です。
食物のみならず、衣食住、産業の神様として崇敬を集めているところのようでした。
お参りは外宮からといわれているらしく、その作法通りに予定を立ててくれたHさん。
でも、ここは正宮のお参りのみにとどめ、内宮を丁寧にお参りしましょう、とのことでした。
まずは、外宮前で、お昼食を。
その後、多少改まった気分で、玉砂利の参道を踏みしめながら正宮へと向かいました。
心を込めて参拝し、他の宮は回らず、タクシーを拾い、内宮へと向かった私達です。
外宮の正宮
外宮と違い、入口に立つ鳥居の向こうは、山を背景に、広大な神域が広がっていました。
瑞々しい新緑と青葉が混在したその爽やかな光景の何と美しいこと。
清澄な空気に包まれたような、清々しさがみなぎっていました。
神さまの御座します所。
当然の印象かもしれません。
素直にその空気に浸り、日頃の業を洗い清めていただくような気分になりました。
域内を流れる五十鈴川は清流で有名とのこと。
まさにその通りの澄んだ流れ。
その川面に周りの緑が溶け込んでいるかのよう。
その清らかな落ち着いた絶景は、言葉にならないほどです。
神さまが宿っておられることが実感できるような場所でした。
しばし、その景色に見とれた私たちです。
澄んだ川面に、そっと手を当てたりしました。
その後は、至る所に点在する宮や社を眺め、時に頭を下げ、神妙にお参りしながら、参道を抜け、正宮へと。
初孫のR君と、この宮をお参りしたことを懐かしく思いながら、外宮の時より、一層厳粛な気持ちで、階段を上がり、正宮の正面にたどり着いた私です。
お賽銭を入れ、二度柏手を打ち、二度頭を下げて、しばらく無心に拝みました。
正宮の簡素な建築は、見つめれば見つめるほど美しい。
無駄なものはすべて削ぎ落とした、日本の建築様式の美の極みといった感じ。
ドイツの有名な建築家が、絶賛したそうですが、私も心打たれたのは言うまでもありません。
十数年前にタイ旅行した時に見た、きらびやかなテンプルとは対極の物ですね~
国民の趣向の際立った相違を、何故か思いました。
日中次第に温度が上がり、薄い半袖の羽織物に着替えた私です。
そこはむろん写真撮影禁止でしたので、階段の下でパチリ。
そこをお参りすると、お伊勢参りを成し遂げた快い達成感がありましたが、さらにその後も、荒祭宮、神楽殿、神社など、同窓生五人で和やかに談笑しながら巡り参拝しました。
夫の回復を願ってお守りを二つも買い、愛妻家の同窓生のO君の影響で、朱印帳までも。
旦那さまの回復を願い、朱印帳をもって、お寺や神社巡りをしたい心境ですが、行動に移す殊勝な心が、今後の私にあるかしら?
おかげ横丁
夫の病を気にかけ、腰痛を押して参加した私の事情を承知の皆さん。
随所随所での私に向けられた気遣いと優しさに、私は恐縮しっぱなしでした。
愛妻家で有名なO君が、私が、自分の奥さんに雰囲気がとても似ているといい、「姫!姫!」とよく呼んで下さいました。
70を過ぎて、姫!何て呼ばれると、なんだかくすぐったく・・・・・・。
でも単純に、若返ったようで、嬉しくなってしまった私です。(笑)
我が家では、姫どころか、私が、殿様!殿様!と呼ばないといけない雰囲気ですもの。(笑)
鳥羽桟橋に向かうフェリーの特別室にて
まるで身内のような気楽さと親しさ。
そのうえ、頼もしいHさんのきめ細やかなガイド。
実に充実した一泊二日の楽しい旅でした。
旅の最後は、宇治山田駅近くの皇室ご用達の割烹、「大喜」でお夕食。
このお店の予約も、Hさんがしてくれていました。
美味しかった!の一言で、改めてお世話になったHさんはじめ、皆さんに感謝の気持ち一杯の私。
宇治山田駅で、郷里方面に向かう三名の同窓生と名残を惜しみ、固い握手をしてお別れしました。
帰路が東京方面だったのは、私とN君。
学生のころから優秀なだけでなく、物腰が落ち着いていて大人びていた彼。
私が小学生のころから、印象深い人でした。
しみじみ語り合え、本当にうれしかったです。
企業人として活躍されていたころのお話も、たくさん聞かせてもらいました。
同窓会の素晴らしさとは、過去の経歴や肩書など全く関係なく、学生時代の関係に戻れ、純粋な心で向き合えること。
この屈託のない交流は、何物にも替え難いものですね~
実に楽しい会でしたが、真夜中に近い時刻の帰宅で、翌日から当分疲労が抜けない生活に。
旅行後は、いつも体調を崩す私ですから、覚悟はできていましたものの・・・・・・。
驚いたことは、整形外科医院の紹介状をもって夫が入院している総合病院で受けた腰痛の診断結果。
何と背骨の圧迫骨折!
とんでもないことになりました。
けれど、今なお同窓会の余韻を胸に、伏せることなく、何とか暮らしています。
夫は昨日退院しました。
腰の痛みは、お薬のお蔭か、次第に緩和されてきています。
自重しながら、また変わりない日々を、明るく前向きの心映えで、過ごしたいもの、と願っていますが
さて今後はどうなることやら、少々思いやられます。
アッ!腰がイタタ~
ブログを長い時間書き過ぎたようです。
ご覧下さいまして有難うございました。
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花のように泉のように