かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『One more time, One more chance』

2015-05-23 23:15:22 | 写真

今日は大事件がありました。

子供が生まれた時から大事にしていて、ずっと一緒だったぬいぐるみが失くなってしまったのです。子供にしてみたら兄弟が突然いなくなってしまったようなものですからね。気が狂ったように泣き叫んでました。

こんな時こそ父親の出番ですよ!ただでさえ「片手袋研究家」とか名乗ってる父親ですよ?家族で出掛けてても片手袋があれば一人だけいなくなってしまう父親ですよ?

威厳が保てないんですよ!視線が冷たいんですよ!

あのぬいぐるみさえ見付ける事が出来れば…。「お父さん凄い!」。その一言が聞きたくて、仕事が終わってから子供の辿った道を探してまわる事にしました。

夜中なので自転車のライトでくまなく道路を照らしながら、ゆっくりゆっくり探しました。完全に不審者ですが、植え込み、路肩、向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに…。

その結果。

結局出会えたのはこの“放置型道路系”一枚だけでした。

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でも馬鹿にしちゃいけませんよ。これから冬が来るまで、片手袋研究を支えてくれるのはコイツらなんですからね。一枚でも出会えたんだから、有意義な夜の散歩でした!

皆さんも、どんなに暑くなってきてもいつ・どこで片手袋と遭遇するか分かりませんから、常に意識しておいて下さいね。

それじゃあ、今日はこれで!


『片手袋・フロム・カナダ』

2015-05-22 23:35:27 | 番外

ちょっと衝撃の写真が友人の妹さんから送られてきました。

彼女はカナダに住んでいるそうですが、まちかどで撮った写真がこちら。

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高速道路か高架下か分かりませんが、大量の片手袋がぶら下げられています!なんじゃこりゃ!

キーワードは真ん中の横断幕にある筈。ところがフランス語なのでよく分かりません。書き出してみると、

“perdus oublies vos gants survivent dans l'indifference nous vaincrons #jesuistongant”

と読めます。ネットの翻訳にかけてもよく分からなかったのですが、友人の妹さん曰く、

「忘れられたあなた方の手袋は、無関心の中で生き延びてます!勝ったぞ!」

というような意味だそうです(より正確な意味が知りたいので、フランス語に堪能な方の情報求む!)。文末にハッシュタグのようなものが確認出来るのも気になり、「もしやカナダの片手袋愛好家に繋がる情報?」と思い検索してみましたが、いまいち分からなかったです。

友人曰く、「春になって大量に発見された片手袋をこうやって飾ったのではないか?」

との事。調べてみると友人の妹さんの住む都市は年間平均2メートルの積雪がある地帯。つまりこの片手袋達、“雪どけこんにちは系”の可能性大!そりゃあ手袋をする人がいれば片手袋も発生するし、降雪量が多い地域なら“雪どけこんにちは系”も発生するよね!

冬を越してしまい春先に出てきた片手袋だから、持ち主に帰る可能性も低いと判断してこんな作品に仕上げてしまったのでしょうか?

これ、偶然にもやっている事と見た目が、以前ご紹介した『てぶくろがいっぱい』 に凄く似ているんですよね。あちらは赤い片手袋限定でしたけども。

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一人なのか複数人なのかは分かりませんが、イタリアに続き片手袋を気にしている人達はやはり世界中にいるようです!

面白いのは、同じように片手袋を愛する者同士でも、僕が「片手袋には絶対に触らない」というルールを設けて活動しているのに対し、こうやって豪快に集めてきてしまう人もいるという事。共通点ばかりでなく、こういう違いについても語り合えたら楽しいだろうな~。

ああ、もし僕にあまりあるお金があったら、「G8」なのか「G20」なのかは分からないけど、絶対に片手袋世界サミットやりたい!もちろん“G”は“Glove”のG!

誰かスポンサード、プリーズ!


『狼の不安を背負う』

2015-05-21 22:56:09 | 片手袋研究発表

先日放送された『ワケあり!レッドゾーン』。その中で片手袋探しに行った際の模様が流れていました。沢山の片手袋に出会えたロケでしたが、非常に面白いパターンで番組でも取り上げられていたけどちょっと伝わりづらいのがあったので、今日はそれについて説明したいと思います。

具体的にはこれです。

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分かりづらいですが右が片手袋、左が両手袋だったのです。実はこのパターン、たまに出会う事があるんです。

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これなんかもそうですね。左がゴム手袋類の両手袋、右が軽作業類の片手袋です。

これ、片手袋からしてみたら、すぐ隣に揃いで仲良くやってる両手袋がいる訳です。マッチ売りの少女が窓越しに楽しそうな家族の団欒を覗いているような、そんな寂しさを感じてしまいます。

放置型だけでなく、介入型にもこのパターンは存在します。

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拾われている分まだ放置型よりは寂しさが薄れますが、それでも可愛そうな感じは拭いきれませんよね?

ちょっと違うんですが、こんなパターンもあります。

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片手袋同士が必死に支えあっていたり、付かず離れずの関係で一緒にいたり。これなんかは片手袋になっても良い相棒が見付けられたようで、何故か寂しさはあまり感じられません。

冒頭の例も、

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「両手袋を羨んでいる」とも取れるし、「馴れ合いに背を向けて一人で生きていく事を決意した」という力強さにも取れるかもしれません。

「取れるかもしれません」って、一体私は何を言ってるんだか自分でも分かりませんが。


『手袋流通センター』

2015-05-20 23:17:43 | 片手袋研究発表

片手袋研究を続けていると、思い込みや研究成果を覆される事の連続です。

元々落とし物だと思って接していたら、介入型の存在に気付いたり、その介入型は「日本人固有の優しさの象徴」だと思っていたら、イタリアの片手袋写真家から送られてきた写真には普通に介入型があったり。

でも新しい発見をした時と同じくらい、この覆される瞬間もゾクゾクするんですけどね。「片手袋、まだまだ奥が深いぞ」と気付かされるので。

そう意味で一昨日出会った片手袋も、また一つ僕の思い込みを覆してくる存在でした。コイツです。

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何だか分かります?アップの写真も。

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軍手に貼られたこのシールに注目して下さい。よくホームセンターなどで軍手が束で売ってますよね?あの状態のまま片手袋になったみたいなんです。

これはどういう事か?

放置型にせよ介入型にせよ、誰かしらの手に触れてから片手袋になる訳です。放置型は持ち主の手から離れて、介入型は拾い主の手に触れて。人の手を介して生まれる存在であるからこそ、片手袋の裏側には色んな物語が想像出来る訳です。

でも今回出会ったコイツは、まだ誰の手にも触れていないのに片手袋になってしまったんですね(勿論買った人が一瞬触った可能性はあるが)。つまり商品のまま落ちている訳ですから、これを見付けた時に何の物語性も感じられなかったんです。

でも考えてみれば商品としての軍手が輸送中に落ちたりする可能性は十分考えられる訳です。片手袋は必ずしも人間の物語を象徴している訳ではない、という事を教えられました(勿論、可能性としては凄く低いのですが)。

物語は浮かばなかったけど、出会った瞬間に物凄くゾクゾクした片手袋でした。