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レディ・ガガ×AKB48って、なに?

2011-06-23 23:38:55 | 音楽にまつわる話<的>な
ついこの間J-CASTの「音盤見聞録」に書いた原稿です。



CD不況なのに驚異の売れ行き ガガ様とAKBに共通点あるか?


レディー・ガガ
『ボーン・ディス・ウェイ』




通常盤(CD)
UICS-1230
2500円
5月23日発売
ユニバーサル インターナショナル

AKB48
『ここにいたこと』




通常盤(CD+DVD)
KIZC-117/8
3200円
6月8日発売
キングレコード


 5月23日に世界同時発売されたレディー・ガガの3rdアルバム『ボーン・ディス・ウェイ』は、全世界同時発売直後から売れに売れた。13か国以上のアルバムチャートで1位に輝き、ネット販売も含めた最大の予測では500万枚を突破、本国アメリカで250万枚越えし、日本でもたった1日で50万枚突破!! だそうだ。

 彼女がいち早く東日本大震災支援の声を上げたことと無関係ではないだろうが、それにしても、この日本での数字は構造的なCD不況という中にあってまさに驚異だ。

 ところがこの日本にあって、数字的にレディー・ガガに匹敵する存在がいる。驚きなのだが確かにいる。それがAKB48。

徹底的に作り込んだキャラクター

 本当なら4月に発売が予定されていた、こちらも3rdアルバム(オリジナル・アルバムとしては初)に当たる『ここにいたこと』が、東日本大震災と重なり6月8日に発売延期となっていたが、その初回の出荷枚数が200万枚越えだというのだ(実質的には6月8日には110万枚出荷だったそうだ)。それが本当なら腰が抜けるほどの驚きだ。少し前に「予約70万枚、初回出荷100万枚、最終累計140万枚の予想」と聞いていたのだから。

 そこで、レディー・ガガ、AKB48になにか共通する「売れるファクターはあるか?」と考えてみた。徹底的に作り込んだキャラクターというのは、共通点としてあるかもしれない。

 レディー・ガガは音楽だけでなくファッション界にあっても21世紀最高のポップ・アイコンであり、そのことを自覚し自負している。だから、レディー・ガガは、個人でありながら既に自らをブランドと化し、何物にも代えがたい存在としてポップ・カルチャーに君臨している。1人でガツガツと壁に穴を開けていく。その生き方、言動は世界に大きな影響を与え、2010年には『タイム』誌が世界で最も影響力のある有名人を選ぶ「タイム100」のアーティスト部門第1位に選ばれている。ツイッターのフォロワーも1000万人を越えている。

両者のアルバムタイトル「かぶるものがある」

 AKB48は、正反対だ。まるで点描法のジョルジュ・スーラの絵のように、大人数で没個性(もちろんそれぞれに個性的で、少しずつ花開きつつあるが)ではあるが、受け皿としてのAKB48という「像」を皆で描いていく。一人一人は単なる点だが、距離を置いて俯瞰してみると、AKB48という像が浮かび上がる。そしてその個性を、総選挙などといった様々なファクターで変化させていく。レディー・ガガとは真逆で、対極にあるような気がする。

 もし共通点があるとすれば、「限界を越える」モチベーションだろうか。ガガ様は個人の営為として尖りに尖り、AKBは集団として際限なく拡散し「没個性」を目指す……。なにか、アメリカと日本というお国柄を見事に体現しているな。

 でも、レディー・ガガのアルバム・タイトル『Born This Way』は「こうなる運命のもとに生まれてきた」という意味だが、良く見るとAKB48の『ここにいたこと』というタイトルと、なにかかぶるものがある。

 結局はどちらも売れているわけで、CD販売という点では、いずれの方向性での展開も、まだまだ可能性が残されているといえなくもないか…。

加藤 普

【ボーン・ディス・ウェイ 収録曲】
1. マリー・ザ・ナイト
2. ボーン・ディス・ウェイ
 *KDDI「au」CMソング
3. ガバメント・フッカー
4. ジューダス
5. アメリカーノ
6. ヘアー
7. シャイセ
8. ブラッディー・マリー
9. バッド・キッズ
10. ハイウェイ・ユニコーン(ロード・トゥ・ラヴ)
11. ヘヴィー・メタル・ラヴァー
12. エレクトリック・チャペル
13. ユー・アンド・アイ
14. ジ・エッジ・オブ・グローリー
15. ボーン・ディス・ウェイ -ヨスト&ナーフ・リミックス- *
16. ボーン・ディス・ウェイ -LLG VS GLG ラジオ・リミックス- **
*インターナショナル・ボーナストラック
**日本盤ボーナストラック


【ここにいたこと 収録曲】
[CD]
1. 少女たちよ
2. Overtake(Team A)
3. 僕にできること(Team K)
4. 恋愛サーカス(Team B)
5. 風の行方
6. わがままコレクション
7. 人魚のバカンス
8. 君と僕の関係
9. イイカゲンのススメ
10. High school days(Team 研究生)
11. チームB推し(Team B)
12. チャンスの順番
13. Beginner
14. ポニーテールとシュシュ
15. ヘビーローテーション
16. ここにいたこと(AKB48+SKE48+SDN48+NMB48)
[DVD 収録内容]
振付映像収録
1. ポニーテールとシュシュ
2. ヘビーローテーション
3. Beginner
4. チャンスの順番


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