普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

父・加藤千代三の短歌 4

2021-02-11 16:51:02 | 父・加藤千代三の短歌
父・加藤千代三の書き残した短歌を、紹介していきます。

第4回目は、こんな添え書きがある一首です。

「太田水穂主筆『潮音』の誌友となり、数多くの歌を発表したが、記録なし。十五歳から十七歳上京までの間、僅かに記憶する歌」

前回、2首を挙げましたが、今回も2首を紹介します。

洩れてさす 雑木林の 陽の中に
静かな藤の ふさはたれたり


松の花 こぼるるに似て 散りきつつ
潮の音近し 丘の径かも


自然の情景に己の思いを託す、千代三の短歌のそうしたありようが、ボクは好きです。