6月15日が、生井秀樹の三回忌だった。
生井と所縁のある人が集まって、三回忌を営むという連絡があった。
諸々の理由が重なって、残念ながらボクは参加できなかった。
だが、三回忌の数日前に、ボクは生井の夢を見た。それも二日続けて。
一日目は、なにか空港のラウンジのようなところで、生井のお別れ会に参加していた。どういった趣旨のお別れ会かと言えば、生井は「そろそろ旅立つ。あちこち行こうと思うがもう戻らない」と言うのである。
「もう戻らない」という言葉は、様々な意味でボクに迫ってきた。その時ボクは「あぁ、生井は記別を受けて成仏するのだな」と理解した。
生井は少し寂しそうな顔をしたが、「まあ、これで終わるわけでもなし」と言った風に、笑顔を見せた。
もちろん様々な出来事がありはしたのだが、覚えているのはこの件りだけだ。一日目はそれで終わり。
二日目は、階段を昇っていく生井の後姿を目で追っている自分視点の夢だった。
階段と思ったのは、ひょっとすると飛行機のタラップだったかもしれない。生井はその階段の先にある箱のようなものに乗り込んでいった。最後に振り返り左手をひょいと挙げて箱の中に消えた。
きっと生井は無明に至り、やがて新たな生を受けて、ボクの生活圏のどこかに生まれてくるのだろうなと思った。
ボクの生活圏というのは、ひょっとするとボクの来世での生活圏ということなのかもしれない。
だから、今世に出会ったようなまた新たな出会いがあるのだろうと思う。
あの夢が、今世での生井との最後の別れだったのだろうと思う。
そう思おうと思う。
在りし日の、生井。さらば。
生井と所縁のある人が集まって、三回忌を営むという連絡があった。
諸々の理由が重なって、残念ながらボクは参加できなかった。
だが、三回忌の数日前に、ボクは生井の夢を見た。それも二日続けて。
一日目は、なにか空港のラウンジのようなところで、生井のお別れ会に参加していた。どういった趣旨のお別れ会かと言えば、生井は「そろそろ旅立つ。あちこち行こうと思うがもう戻らない」と言うのである。
「もう戻らない」という言葉は、様々な意味でボクに迫ってきた。その時ボクは「あぁ、生井は記別を受けて成仏するのだな」と理解した。
生井は少し寂しそうな顔をしたが、「まあ、これで終わるわけでもなし」と言った風に、笑顔を見せた。
もちろん様々な出来事がありはしたのだが、覚えているのはこの件りだけだ。一日目はそれで終わり。
二日目は、階段を昇っていく生井の後姿を目で追っている自分視点の夢だった。
階段と思ったのは、ひょっとすると飛行機のタラップだったかもしれない。生井はその階段の先にある箱のようなものに乗り込んでいった。最後に振り返り左手をひょいと挙げて箱の中に消えた。
きっと生井は無明に至り、やがて新たな生を受けて、ボクの生活圏のどこかに生まれてくるのだろうなと思った。
ボクの生活圏というのは、ひょっとするとボクの来世での生活圏ということなのかもしれない。
だから、今世に出会ったようなまた新たな出会いがあるのだろうと思う。
あの夢が、今世での生井との最後の別れだったのだろうと思う。
そう思おうと思う。
在りし日の、生井。さらば。
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