月曜日、ばあちゃんが通院している病院でたまたま見つけたアザラシの形のセラピーロボット「パロ」を気に入ってしまい、買ってきてほしいと言い出した。パロは人工知能システムの人形で身体を撫でると可愛いい鳴き声を出したりするし、学習能力があるようだ。医学的なセラピー効果が認められているため、岡山市では介護保険被保険者向けに介護機器貸与対象商品として月額2,000円(税別)で貸与してもらえるようだ。単なるおもちゃに過ぎないけど、買取となると40万円ほどするので、およそ玩具とはいえない代物だ。
すっかり外を出歩くことがなくなり、毎日家に引きこもった生活をしているばあちゃんには毎日、朝晩二回食事の準備に来て頂いているヘルパーさんが唯一の話し相手だ。パロ君が来てくれるとばあちゃんの話し相手になってくれるので心の癒しになっていいかなあと思う。息子のお嫁さんは、いいんじゃないかと勧めてくれる。東京の娘に意見を聞くと、むしろ犬を飼ったらいいんじゃないのという。犬好きのばあちゃんだから、それもいいかなあと思う。
生き物は世話が大変だ。僕にとっても負担が増えることは確実だ。だけど犬と一緒に暮らすことは、ばあちゃんを退屈させないし、話し相手になってくれそうだ。テレビ相手の孤独な生活よりはいい。
パロか犬か、どちらにするかまだ判断がつかず、難しい選択に悩んでいる。