既知の山やコースを繰り返し歩くのは、訓練や健康維持のためには良いことなんだが、
山歩き本来のまだ見ぬ景色への憧れやちょっとした冒険心は満たすことが出来ない。
「防長山野へのいざない」の著者:金光氏は第4集の著書の中で「体力にものをいわせた登山で
あったり、蟻のごとく誰もが同じ道を道標に従って迷うことなく山頂を目指すだけでは、何か
物足りなさを覚えることがある。その点、県内のやぶ山は、地図とコンパスを頼りに自分の判断で
ルートファインディングをし、注意力と観察力を駆使して山麓をはいずり回る。そこには常に
頭を働かせ、ピーンと張った緊張感がある。中略・・・すなわち県内の山歩きは五感をフルに
活用しながら自らの知的欲求を満足させることができるチョッピリ冒険的な登山といえる。」と
述べられている。昔の山やは皆こうだった。まったくもって同感です。
そこで過日、思うようにいかなかった福西山仁光寺コースの下山道を再度踏査してみた。
磁北線入りの1/2万5千紙地図とコンパス、昨夜カシミールで仮ルートを作成し、
アップロードしていたGPSを持参し歩いてみた(青線が仮ルート、オレンジ色が実際のログ)。
シダ藪やちょっとした崖など避けながら、スムーズに歩けた。砂防堰堤まで下ると、踏み跡の
ある山道に出て駐車地へと戻った。短時間ながら藪をこぐことなく、ルートファインディングや
あふれる自然をたっぷりと楽しめた。注)案内板やテープ目印など一切ありません。
山道脇に群生するナガバノタチツボスミレ