人は誰しも、諍いや争いなどのトラブルを嫌うのではないでしょうか。
そのトラブルの多くは、ちょっとした言動が原因であったり、それが契機となって人間関係がこじれたりしているようです。
かねてより、【心 de 経営】ということを基本に、永年コンサルティングをして参りました。「de」は、フランス語の前置詞で、英語にしますと「of」に近い意味合いであり用法であると認識しています。
「de」を、英語の「of」の意味で用いますと「心 of 経営」、すなわち「経営”の”心」となります。「de」を、そのまま、日本語の「で」に置き換えますと「心で経営」となります。
ここでは、後者の「心で経営」に重点をおいて、経営に限らず、人間関係における「心づかいのあり方」を、平素の体験から感じるがままにを徒然に記述してまいります。それにしても、他人に優しくするには、自分に厳しくなければならないことを痛感しています。
期せずして日本経営士協会理事長の藤原久子先生も、心を大切にすることを常々口にされています。理事長とお話している中で出てきたことを中心にまとめています。ある意味では、藤原理事長との合作といえるブログです。
物事や人の心には多面性があります。お届けするブログが正論であるか否かは、皆様のご判断にお任せしますが、参考にして下さいますと幸いです。
このブログシリーズで、歩行喫煙をしている人に対する言い方について、相手に気づいていただく例をご紹介しました。
それが、仕事上の部下であったり、目下の人であったりしますと、相手への配慮を欠いてしまうことがありがちです。
「注意や叱ることにより、相手のやる気を削ぐことがないように」、できれば、「さらにやる気を高められるように」という視点になります。
しかし、親にさえ叱られたことがないような人達が多い昨今ですので、上司だからといって、高圧的な言い方は厳禁です。「パワハラだ」と、訴えられてしまうかもしれないご時世です。
一方で、ストレートに、相手の問題点を指摘し、論理的に話して納得させようというのも、「率直だ」という評価からうまく行く場合もあります。しかし、得てして、率直な物言いを、いきなりされても、逆ギレを買うことになりかねません。
人によっては、自信を失い、せっかく、成長を意図しての行為ですのに、逆効果になってしまうこともあります。
この様に、劣等感を抱かせたり、反感を買ったりしないためには、どのようにしたら良いのでしょうか。
人によっては、「本論から入らずに、相手を誉めるところから始めるのがよい」とアドバイスをする方もいます。
この方法は、成功することが多いですので、いろいろな人が推奨しています。ところが、反面、「下心が、見え見え」とこちらの手立てを読まれてしまいますと、せっかくの配慮もうまく行きません。
ありきたりのことではありますが、注意をしたり、叱ったりするときの基本は、自分が冷静であることが第一です。
相手の性格に応じて、誉めることから始めるのか、率直に切り出すのか、適切な判断が必要です。
これもよく知られていることですが、他の社員のいる前での、注意や叱責は厳禁です。
私は、事前に、キチンとストーリーを整理し、メモにしておき、原則は、それに沿って、論理的に、ゆったりとした口調で話をするようにします。
多くの場合には、これでうまく行きますが、こちらが構築したストーリー通りに進まないことがあたり前のように起こります。そのようなときも、一旦は横道にそれることも容認して、ストーリーを修正したり、状況判断によって補正をしたりします。
けっして、いつも言っていることや、他の人に言っていることと異なる論旨にならないように、主旨一環が原則です。その場限りのやり方は、矛盾を請じかねません。
八方美人的に、「嫌われたくない」という気持ちが先行しても、平素言っている論旨から外れてしまうこともあります。
しかし、中には、論理的に理詰めで話されるのが不得意な人もいます。その様な人の多くは、情緒的な人です。「相手の情に訴える」という戦法も人によっては効果的です。
要は、目的と手段の選択と、状況に応じた臨機応変性が求められるといえます。