ムクゲ(木槿.アオイ科)花言葉は、デリケートの美.柔和。中国.インド原産といわれるアオイ科の耐寒性低木。高さニ~四メートルになり生垣によく用いる。夏から秋にかけての長い日数を次々に咲き続ける。葉の腋から短い花柄を伸ばし、直径7~10センチの紅紫色の五弁花をつける。朝に開き、夜はしぼむため「慎花一日の栄一」という言葉があり、人の栄華のはかなさにたとえられる。園芸種には白、桃色から蓮んはかなさにたとえられる。園芸品種には白、桃色から菫色まで花色まで様々あり、八重咲きの種類もある。韓国では国花とされている。「むくげ植ゑてゆふ柴垣の都かな 西鶴」「百舌鳴いて朝露かわく木槿かな言水」「道のべの木槿は馬に喰われけり 芭蕉」「吹く風に唇うるむ木槿かな 越人」「川音や木槿咲く戸はまだ起きず 北枝」「修理寮の雨行く木槿かな 蕪村」「あはれさに折て持ちけり花木槿 蘭更」「めくら子のはし居さびしき木槿かな 白雄」「かまくらやむくげぼうえの大仏 大江丸」「木槿咲く織上の南部富士 山口世青邨」「底紅の咲く隣にもまなむすめ 後藤夜半」「底紅や俳句に極地に極地 阿波野青畝」「馬の如木槿な花に如近くかずけり 相生垣瓜人」「一日を今生として底紅も 後藤比奈夫」「老後とは死ぬまで日々花木槿 草間時彦」「木槿夕雨こんなところに赤ん坊 飯島晴子」「白木槿夜明けの雨のいさぎよし 古賀まり子」「木槿白花おのおの咲 阿部完市」「底紅や麻みずうみの疲れ波 高橋睦郎」「白木槿下京に足損ねけり 山本底紅洋子」「底紅や黙つてあがる母の家 千葉告史」「白向木慎ごみ出すにも蝶むすび 片山由美子」「一日のまた夕暮や花木槿 山西雅子」「白木槿倒れし門に移転札 小川晴子」「底紅や都は昼を暗く棲み 吾妻麗子」「底紅やひろびろとし粟の倉 対中いずみ」「老い易くたそがれ早く白木槿 池尾望念」。(冴え返る家ぬちに使ふ杖の音 小野瑞枝;一日づつ澄みゆく木槿その夕日 小野謙治)