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いつのまにか
黙っていることが苦痛じゃなくなり
そこにあなたがいるというだけで
ただ 満たされるような
そんな感覚があった
今は探してもどこにも無いけど
たぶんそれは
自分の周りだけをちょちょいのちょいと
目をグルグルと
それぐらいのことしかしていないからだろう
あの感覚を感じるには
もっと違う何かを
逡巡とせずに思い立ったままに行動する、
それが必要なのかなと思う
でもね
今のわたしにはあの感覚が必要なのかどうかさえ
わからないのだわ
ぬるま湯に浸かっていると感じる人もいるだろうな・・・
でも、これが今のわたしには最高なんだと思える
母と二人の時間
いくらでも母からもらえるものはある
まだまだ未知のことがありすぎる
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母はわたしがひとりになったときの事を今から心配するが
それは必要ないよ
なんとかなるさ
あなたと過ごした楽しさを思い出せば
やりたいことも見えてくるし
教えてもらったことをこの新しい家に活かしていくのは
楽しいだろう,大丈夫だろ。
午後のまったりとした時間,テーブルに拡げて目の前の生地と悪戦苦闘
次々と出てくるあなたのアイデアに目を大きく拡げ
きょとんとしながら
思いがけないものを見せつけられたことに驚く
齢88歳の頭の中から思いもかけないアイデアが出てきて
目の前の生地がただの一枚の布ではなくなっていく
初めて見る縫い方 先を見て心に付箋を貼っておくこと
ただ無鉄砲にやっているわけではないのよ と
「しつけはいくら直してもいいのよ
何度でも気に入らなかったら直せばいいのよ
このときが一番楽しいものよ」とほどく手が楽しそうだ
決まるまでの時間が
これまでのわたしとは真逆の時間がそこにはあって
少しずつ母のやり方に染まっていくのがわかる
出来るまでの経過をどう楽しむか、楽しみ方次第で
人生をどう楽しめるか
今になって
自分はそんな楽しめる人生の過ごし方を知らずに来てしまったような・・・
教わることは四季こもごもありとあらゆることからも
残された時間は少ない
わたしの血と肉となるまでには まだまだ遠い道のりだ
教えていただくことはたくさん有る
だから
これからもそのままでいてください
黙っていても いるだけで
わたしは何かを感じているのです
言葉にせずとも そこにいるだけで
”今日” あなたがここにいてくれた、それだけで
わたしの時間が心底 潤っているんです。
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