なんということもなく
ただ
泣きたくなることが
さめざめと声をたてずに
泣きたくなることが
ほんの少しのときではあるのだけど
わたしにはこんなときが必要だったのだと
さめざめと泣いたあとに思う
時折窓ガラスの向こうでしめやかに落ちる
小雨のごとく
わたしの胸に沁み込んでいく
さめざめとした涙の粒は
やがて
朝の光に昇華され
あのさめざめとした思いは
単なる甘えだったのかと
若い頃の自分を手繰り寄せている
他愛ない思いに
たださめざめと泣く
それだけでどこか満ち足りていた
あの頃の自分を取り戻したくて
さめざめと泣いてみたくなる
だが
今のわたしにはどこにもさめざめとした風情は
見えやしない
あのどこか危うい
前の見えない不安を抱えていた時代が
なんとも懐かしく思えて仕方のない
あぁ、なんということだろう
涙腺さえも年老いていくというのだろうか
※※※
今日見かけたとあるクリニックの庭で名前知らずの赤い花。
※※※
ただ
泣きたくなることが
さめざめと声をたてずに
泣きたくなることが
ほんの少しのときではあるのだけど
わたしにはこんなときが必要だったのだと
さめざめと泣いたあとに思う
時折窓ガラスの向こうでしめやかに落ちる
小雨のごとく
わたしの胸に沁み込んでいく
さめざめとした涙の粒は
やがて
朝の光に昇華され
あのさめざめとした思いは
単なる甘えだったのかと
若い頃の自分を手繰り寄せている
他愛ない思いに
たださめざめと泣く
それだけでどこか満ち足りていた
あの頃の自分を取り戻したくて
さめざめと泣いてみたくなる
だが
今のわたしにはどこにもさめざめとした風情は
見えやしない
あのどこか危うい
前の見えない不安を抱えていた時代が
なんとも懐かしく思えて仕方のない
あぁ、なんということだろう
涙腺さえも年老いていくというのだろうか
※※※
今日見かけたとあるクリニックの庭で名前知らずの赤い花。
※※※