今の時期、真剣日本刀を刀術稽古で使用すると非常に錆びやすい。
通常手入れ等では、特に棟に出錆するのだが、赤錆となって発生する。
先週は通常刀剣油(太田製)で手入れをしてみたが、丸1週間出錆が
止まらなかった。毎日錆を除去するが先週の火曜の稽古から今週月曜
まで拭ったティッシュに茶色い錆が付着した。
今週は、稽古後に汗脂を先週と同じように完全に除去してからヤマハ
バルブオイルをすり込んで保管した。
1日目、ごく薄く出錆していたが、バルブオイルで拭って8時間後まったく
出錆見られず。
2日目、まったく出錆見られず。
3日目。本日掲載画像。棟をこすったティッシュである。
一切出錆していない。まったく錆が出ていないことが観察される。
バルブオイルは100%化学合成の管楽器の可動部分用の防錆オイル
なのだが、防錆成分がかなり効果を発揮していることがよく分かる。
ヤマハバルブオイルは、刀剣に使用してもやはりかなり防錆効果が高い。
べたつかないので稽古中も非常に調子が良い。
なお、刀剣の手入れについては、私はネルに古い油をしみこませたまま
刀身を拭うということは一切やらない。
手の汗や脂と一緒に刀身を古油でこねくることがどんなことか想像がつく
からだ。
手入れは常に新しいティッシュ(高級品)と新品油を使用する。
刀身は常に新しいティッシュにしみこませた油で洗うように拭うのだが、
稽古終了後に帰宅した際には、エタノールを使用して、完全に汗脂を
除去する。拭いには刀剣用マイクロファイバーも使用する。これは鹿革の
ようによく脂が取れる。この化学素材の布とエタノールでの脱脂を完全に
行なってから酸化防止のための油を塗布してすり込む。
同じ工程を先週と今週で行なって、まったく結果が異なるので、やはり
管楽器用ヤマハバルブオイルの効力を強く感じる。
刀剣用にバルブオイル。これ、現在のところ最強なり!
ビンテージグレードが刀剣用に粘度が適しています。
タイムプルーフ(時効確認)されていないからと現代製の化学オイルを
刀剣に使用することを疑問視する向きもありますが、出錆の物理的な
原理は現在も500年前も何ら変わりません。
仮に戦国期や江戸時代にヤマハバルブオイルのような防錆効果の
高い油が存在したらこぞって使用されたことでしょう。
それと、このヤマハバルブオイルは航空機に持ち込めます。これは
ヤマハが認可を得ています。
一般刀剣油は、ネルにしみこませた物も、ボトルも、成分表示が
ないために、手荷物だろうが預け荷物だろうが、一切旅客機内には
持ち込めません。
ヤマハバルブオイルは旅客機内への持ち込みが可能であり、このことは、
北海道・沖縄・四国等の遠隔地への遠征の際に旅客機を利用する刀剣
携帯者にとっては朗報かと思います。
但し、使用はあくまで自己責任で。