渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ヴィンテージ・キュー

2022年07月15日 | open



某マニュファクチュアル・カン
パニーはニューヨークのバクス
ターストリート151に店舗を構え
たキュー製造販売のディーラーだ。
1900年には創業が開始されており、
1902年のカタログが実在する。
自社のカンパニー名称をフォア
アームに刻印しているが、製造元
はブランズウィック社だろう。

このヴィンテージ・キューは、
1941年~1960年頃までの期間に
製造された物と思われる。


標準で象牙先角が使われていた
時代。
パティーナがかってはいるが、
象牙の目が観察できない。
象牙ならば芯持ち象牙だが、もし
かするとこれはビッグホーンの
角かも知れない。


このキューを観ていて恐ろしく
感じるのは、曲がりが一切無い
事だ。驚異的。57インチ17オンス。
改造してコンバージョン・プール
キューにしようかとも考えたが、
ヴィンテージものを下手に改造す
るのは歴史遺産への冒涜のよう
にも思えて来た。
それは、自分に合わせて正真古刀
の日本刀を身勝手に磨り上げした
りするような暴挙
に等しいのでは
なかろうかと思え
るからだ。
このキューは、調べれば調べる程、
製造されてから優に60年~80年は
過ぎている事が徐々に判明して
来た。
このモデルの前のこのカンパニー
から発売されたタイプは1900年
代初頭のワンピースキューになる。
それは120年前のキューなので、
ヴィンテージ市場でも希少物と
して扱われている。
この私のキューは、たまたまタダ
同然で手に入れたとはいえ、ヴィ
ンテージである事は間違いなく、
バートン・スペインやパーマーや
バラブシュカ以前のキューとして
大変貴重であることが判った。

このまま、状態完備のまま保管
するのが賢明かと思えるように
なってきた。
フルスプライスの本ハギは、各種
資料からするとブラジリアン・
ローズウッドで間違いないようだ。
エンドゴムをとめているネジが
実銃オールドピースメーカーの
ネジのような古びて錆びたマイ
ナス木ネジなのだが、このネジ
一本とて貴重な物だ。
いろいろ検証すると、たぶんキュー
製造時のオリジナルネジのようで
あるので、私の年齢より古い物だろ
う。


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