久留米シティプラザで久留米絣技術保存会の作品展がありました。絣のシャツを着て行ったためか、会場で久留米絣のパンフレットを頂きました。久留米絣は重要無形文化財に指定されていますが、その指定要件は
1.手くびりによる絣糸を使用すること
2.純正天然藍で染めること
3.なげひの手織織機で織ること
機械織りや化学染料ではなく、昔ながらの技法で作るということです。
この日は昔の絣や保存会会員の絣が展示されていました。撮影は自由でしたので少し写真に収めました。
藍染にも染め具合によって色のグラデーションがあります。これによって同じ藍色でも変化をつけます。タグを見ると、色の濃さによって「甕覗き」「浅葱」「縹(はなだ)色」「藍色」などの名前があり、一番濃いものが「濃紺」でした。
手括りした糸と、染め上げた後にアラソウを解いた糸です。奥に少し見えているのが糸を括るアラソウで、麻の茎の表皮です。柄に合わせて白く残したい部分を括ります。
絵糸書きの工程です。説明文によると、下絵から絣になる部分を白い糸に墨付けするものです。絣が出来るまでには30もの工程があるそうです。
下の写真は「幾何灯籠入り大亀甲文」(作者不明・明治時代) 布団地です。
写真でしか見たことがありませんが、博多山笠で男衆が着る長法被は久留米絣です。長法被は山笠期間中の正装で、文字模様や縞模様など布団地と同様に大柄なデザインです。山笠の舁き手が着るのは、白い水法被といわれるものです。
下の写真は「十字に『福田』文字模様」(明治末期・作者不明) これも布団地です。
「雨にあじさい」(昭和57年・松枝玉記)
松枝さんは故人ですが、久留米絣藍染部門の重要無形文化財保持者でした。いまは保存会が団体として指定を受けています。保存会は手括り、藍染め、手織りの工程ごとに有資格者が会員になっています。
「あじさい」(昭和57年・中尾公子)
以下の写真は反物です。表示プレートには括りと染め、織りの工程ごとに会員の名前がありましたが、ここでは代表として出ている名前をあげています。
「緑田」(昭和21年度・森山虎雄)
「菊菱」(昭和18年度・野村憲一郎)
久留米絣は往時に比べ生産量が激減していますが、今では洋服地や小物などでも使われています。こちらでは絣や絣風の洋服を着た中高年の女性を時々見かけます。
「秋の筑後路」(昭和15年度・森山虎雄)
私が夏場に愛用している半袖シャツは、15年以上も前に買ったものです。化学染料で機械織りですが、色褪せも目立たず生地の傷みもありません。今は赤や黄が入った色絣もありますが、私は小紋の紺絣が好みです。
「月照遊戯」(平成9年度・佐藤博美)
当日は六角堂広場で自動車の展示会があっており、昔の車も出ていました。
下の写真は1959年製のダイハツ「ミゼット」です。懐かしい名前です。大型オート三輪に対する軽自動車版ですね。
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