
今日は朝から本店で大事な要件がありました。
緊張感からか、いつもより朝早く目が覚め、普段は見ないめざましテレビの占いコーナーなんかを見て、
ほぉ~母さん、今日は『射手座』がラッキーなんだってさ。ははは・・
なんてど~でもいい会話をしていると、電車の時間に遅れそうだったので、やや急ぎ足で駅へと向かった。
そして、駅へ到着し、改札でICOCAを取り出そうとした際、はずみで小銭を落としてしまい、人も多かったので慌て小銭を拾おうとその場にしゃがみ込むと、
バリバリバリバリ!!!
と後ろにいた女子高生が『きゃっ!』と悲鳴を上げたぐらいの物凄い音が鳴り響いた・・
そう、勢いよく座った勢いでズボンのお尻の部分がビリビリに破れたのだ・・
ありえへん・・・こんなん漫画やん・・・
今から本店やで・・どないすんの・・
最悪・・今日のパンツ目立つ色やん・・丸見えやん・・
めざましの野郎~・・何が『射手座はラッキー』やねん・・地獄やないかい・・
といろんなことが頭を過り、例えこの時、北斗の拳のケンシロウに、
お前はもう死んでいる。
と言われても、
分かっとる!
分かっとるからみなまで言うな!
とブチ切れる自信があるぐらいの地獄絵図でありました。
しかし、私は平静を装い、何もなかったかのように立ち上がり、肛○をギュッと締めながら本店へと向かう。
地獄・・まさに地獄・・。
電車の中で泣きわめく赤ちゃんを見ては、
泣くな赤ん坊、お前より泣きたい男がここにいるんだぞ・・
また、同じく電車内でいちゃついているカップルを見ては、
君達、幸せか?
しかし、世の中には悩み苦しんでいる人々がたくさんいるんだぞ・・
そして、
子供達よ、お父ちゃんはこれまで幾度となく修羅場をくぐってきたが、今度ばかりは駄目かも知れん・・
なんてことを考えながら大都会は神戸のど真ん中である元町駅で降り、更に肛○をギュッと締めながら本店へと向かった。
駅を降りて、長い階段を上っている途中、同期に出会い、
どないしたん?そんな歩き方して怪我でもしたん?
と質問された。
この悲しい状況を説明をしてあげたら私の悲劇を哀れんでか同期は涙を流していた。
若干、涙を流して喜んでいたようにも見えたが、力を抜くととんでもないことになりそうだし、もし同期が同じ状況なら、私も涙を流していることだろうと思い、そのまま同期と別れた。
そして、本店で重要な要件を済ます。
要件中は椅子に座ったままであるので人目にはつかないがお尻にかなり冷たいものを感じた。
そう、かなり裂けてきてるんだろう。
要件を終えると、とんでもない上司と会う予定が入っていた。
さすがにいつまでも肛○をギュッとしたスタイルで会えるわけがない。
私は駄目元で、元町の高架下にズボンを探しに行った。
すると、変な外国人風のおばちゃんがいる店で裾上げの必要のない適当なズボンを奇跡的に見つけた。
何と、980円だった・・。
私はこんなに救われたことはないと、おばちゃんにお礼を言った。
おばちゃんも、まさかこのズボンが売れることがあるのかと嬉しそうだった。
そして、私は本店へと向かった。
なぜか頭の中にはプロジェクトXのテーマ曲が流れていた。
プロジェクトエーックス!
