勝利至上主義、今、少年柔道関係者の多くの方々からすると耳障りなワードかも知れません。
勿論、私も好きではありません。
誰も勝つことだけが全てと考えていませんから。
ただ、誰しも耳が痛いと言うか、どこかで心当たりがあるような経験があるから耳障りなんじゃないでしょうか。
私にもしっかりと心当たりがあります。
今日はそんな私の恥ずかしいエピソードをお話しします。
あれは、大悟が4年生になる直前の話でした。
確か冬の県スポで負け、必死になって再起を図っている時に足の指を怪我しました。
骨折だったか剥離骨折だったかよく覚えていませんが、この頃、とにかく練習しなきゃと何かに取り憑かれたように焦っていました。
そんな中、あともう少しで完治という時に試合がありました。
今なら間違いなく欠場するところですが、小さな地区の試合であったことや、軽重に分かれた試合であり、また、大悟に確認したところ、『できる』と言うので試合に出すことにしました。
そして、会場で審判の準備をしていますと、兄貴分としてお世話になっていた先生から呼びつけられ、
お前は何考えてんだ!!
とお叱りを受ました。
私は、慌てて、
いや、大悟が出れると言ったので・・
と言い訳をしましたが、先生から、
あのな、親が子供にできるか?って聞いたら、子供はできるって言うんや。
可哀想なことをするな。頑張ってるんだから、後ろ指を指されるようなことをするな。
と諭されました。
私は親っていた先生にそう言われてしまい、恥ずかしいやら、情けないやら、そして、そう言わせてしまった大悟に申し訳ないやらで、言葉がありませんでした。
そうです。
私が、この試合なら優勝するだろうと、完治していない状態で試合に出そうとしたのです。
要は、ただ単に、親の私が子供が勝つ姿を見たかっただけなのです。
本当に恥ずかしく、愚行極まりなかったと今でも反省しています。
この一件から、少しずつ親の在り方を考えるようになりました。
こうやって、私はいろんな方々からポイントポイントで諸先輩方から叱咤激励していただき、今に至るわけです。
もし、ほったらかしにされていたら、今の自分はないし、それこそ、子供達を潰していたかも知れません。
叱られるってありがたいことですね。
本当に感謝しています。
勝利至上主義、本当、嫌なワードです。
でも、そう言われないよう、そう捉えられないよう、知らぬ間に子供の足を引っ張っていることがないよう、親は常に自分自身を振り返って行動していきたいものですね。
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