(橋本真也公式サイトから拝借 http://www.hakaioh.jp/gallery/)
2005年7月に急逝したプロレスラーの橋本真也と何回も剣道の稽古をしたことがある。
彼が亡くなった時にも記事を書いた。
橋本真也亡くなる。
http://blog.goo.ne.jp/kendokun/e/24f58a7650b8555053e67f2960a0c78d
稽古をした頃は、
橋本真也は身長が185センチ、体重は130キロで25才ぐらい。
対して私は身長が178センチ、当時の体重は72キロで35才ぐらい。
破壊王とも言われた橋本真也の気迫はすごいもので、
竹刀を振りかぶって大上段に打ち込んでくる姿にはすくみ上がるものがあった。
力もあるしスピードもある。
それにも増して噴きあがような気迫だ。
戦う男、いや野獣である。
剣道のルールで勝っても、本当に勝った気がしないのである。
精神的に負けていた。怖いものは怖い。
防具を着けた剣道ではなく、
もし筋肉隆々の大男が、真剣や金棒を持って、
殺意あらわに突進してきたらどう対処するのか?
このテーマ(呪縛)は当時から私の課題だ。
突進してくる橋本真也は何回も夢に出てきたほどだ。
橋本真也と真剣を持って対峙したら絶対に逃げてしまうだろう。
小手は切っても、その後、脳天か肩を割られて死ぬのはこちら。そういう事だ。
「竹刀でなく真剣だったら負けていた」という時代劇のセリフの如しだ。
橋本真也と稽古して25年以上が経った。
橋本真也という存在が、ある意味、私の武道修行の一つの目標となっていた。
剣道だけでは納得が行かず、戸山流の居合や小野派一刀流の修行を始めた。
また別に、密かに「古流剣術はこうあるべき」のような事も学び研究してきた。
やっと最近になって、橋本真也の呪縛から解き放されたような気がしている。
ただそれは「剣道初心者の橋本真也」なのである。
彼が今も生きていて、剣道稽古を続けていたのなら、
今でもやっぱり逃げてしまうだろう。