大山守命の最期

知波夜夫流　宇遅能和多理邇　佐袁斗理邇＜チハヤフル　ウジノワタリニ　サオトリニ＞
　　　　　　　波夜祁牟比登斯　和賀毛古邇許牟 ＜ハヤケムヒトシ　ワガモコニコム＞

　「 （千早降る）宇治川の渡し場で棹を持っている船頭さんよ。私は川に落ちて今にもおぼれ死にそうだ。早く私の所に来て助けてくれよ」

　と、舟の上で棹を持っている人が船頭さんだと思って、川から落ちた大山守命は歌を歌って助けを求めます。「ハヤケム」は「早く」、「モコニ」は「元に」です。
　その時にです。宇遅能和紀郎子が川辺に隠していた兵士たちから一斉に弓がおぼれかけている大山守命に向かって放たれ、そのまま下流に流され死んでしまいました。その亡骸を兵士たちが引き揚げます。
　ここでもまた不思議ですが、大山守命の兵士たちはいったい何をしていたのでしょうかね？？不思議ですが、これも古事記には何も書いてありません。