さて、恋しい兄媛が吉備に帰ってしまいました。日に日に彼女が恋しくてなりません。どうにかして逢いたい気持ち抑えることができません。天皇としての国政の任務もありましょうし、大っぴら居っぴらに吉備飛んでいくわけも行きません。皇后髪長媛もいることです。何か良い思案はないかと考えておりました。四月に難波の港から吉備に帰る兄媛を見送ってから「兄媛に逢いたい」という悶々とした気持ちを持って毎日を過ごしていましたが、九月六日に、どうしてかはわからあないのですが突然に
“天皇 狩于淡路島”
<テンノウ アワジノシマニ ミカリシタマヒキ>淡路島に狩りをしに出かけます。
この島は海岸まで山が迫、谷や丘があって、そこには芳草が生い茂り、川を流れる水もきれいで、その上、鹿や雁などの動物が沢山いて、それまでに御輿に乗られて幾度となく狩りをされていたのです。
その有様を書紀には
”峰巌紛錯 陵谷相続 芳草薈蔚 長瀾潺湲 亦麋鹿鳧鴈多在其島 故乗轝屡遊之”
と書かれております。
“天皇 狩于淡路島”
<テンノウ アワジノシマニ ミカリシタマヒキ>淡路島に狩りをしに出かけます。
この島は海岸まで山が迫、谷や丘があって、そこには芳草が生い茂り、川を流れる水もきれいで、その上、鹿や雁などの動物が沢山いて、それまでに御輿に乗られて幾度となく狩りをされていたのです。
その有様を書紀には
”峰巌紛錯 陵谷相続 芳草薈蔚 長瀾潺湲 亦麋鹿鳧鴈多在其島 故乗轝屡遊之”
と書かれております。