私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

桃子三箇で・・・・

2016-12-26 13:47:08 | 日記

 黄泉比良坂の生っていた桃を三箇、イザナギが取って、それを水戸黄門の家来「格さん」がするように高く掲げます。なお、この段の訳で「福永武彦」は

           “・・・桃の実を3つ取り上げると、追手を待って烈しくこれをうちつけたから・・・”

 としておりますが。この訳は、「どう思っても少々おかしい」と、私は考えるのです。相手は屈強なる千五百もの黄泉の国の軍勢です。いくらイザナギが剛速球でそれを彼等の前に投げ得たとしても、たかが桃の実です。そんなものは恐ろしくも何でもない筈です。そうではなくて、此の桃に何か黄泉の者たちを怖がらせる何かがあったのではと思うのです。そうでなかったら

              ”桃子三箇待撃者悉逃返也<モモノミ サンコ (もちて)マチウチタマ イシカバ  ココゴトクニゲカヘリキ>”

 と、そう簡単に事が運ぶ訳がありません。
 この「撃」を福永氏は「攻撃」と解釈されたのだろうとは思いますが、私は「目撃」、すなわち、目にさらすことと解釈しております。高く掲げて沢山の黄泉の総ての軍に見せたのだと思います。だから、「悉」ではないかと思うのですが????この比良坂の坂本に大きな岩があり、その上にあがって見せたのではと想像しております。この岩が、このすぐ後の

                        “千引石”

 ではないでしょうか???

 なお、此の桃の実の霊力については宣長も何も言っていません。念のために。


イザナギはやっと黄泉の出口に

2016-12-25 10:46:22 | 日記

 ひたすら逃げに逃げたるイザナギですが、やっとの事、追手である八雷神と千五百<イチホ>の黄泉軍に捕まることなく、黄泉国と顕国<ウツシクニ>の境目にある黄泉比良坂<ヨモツヒラサカ>の「坂本」にまで逃げ帰る事が出来たのです。そこは、まだ黄泉の国の領分ですが、その坂の下で、イザナギは、大変貴重な命の宝物が、そこにある事に気が付きます。何だと思いでしょうか?????

                     “取在其坂本<ソノサカモトナル>桃子<モモノミヲ>三箇<ミツトリテ>”

 と、古事記には書かれております。(なお、書紀には、「一説に云」として、イザナギが大樹に向かって放尿が川となって追手から逃げ果せたと。)此の桃子を見て、とっさに、それを三箇取って、今までは「逃げるが勝ち」とばかりに「逃行」「逃来」でしたが、三つを手に取ると途端に、どうしたことでしょうか、イザナギは八雷神たちに向って

                     “待撃者<マチウチタマイシカバ>”

 “来るものを待ち受けて打つなり”と「古事記伝」は云います。逃げるのではなく、初めて鬼たちに立ち向かったのです。その原因が“桃子<モモノミ>にあったのです。この「桃子」が、どうして、そんなにもイザナギの態度を変えさせたのでしょうか???宣長も何の説明もしておりません。どうでしょうか。イザナギが桃を手にしただけで

                    “悉逃返也<コトゴトク ニゲカエリキ>”

 今まであれほどの勢いで追い掛けた鬼たちですが、桃の実を、それも、たった三箇見ただけで、場面が、急転して、全員が逃げ帰ってしまったのです。

 桃には鬼たちを怖がらせる何かの霊力があったのではないでしょうか???そうとしか考えられません。そう言えば、我が吉備津の伝説の「桃太郎」ですが、わざわざ「桃」と云う名を付けた若者が登場して鬼たちを退治するのです。そこら辺りに「桃」と「鬼」とが何か関係がありそうな気がしまするのですが、よく分かりません。  

 

          


十拳剣

2016-12-24 10:43:33 | 日記

 八雷神と黄泉軍がすぐ後ろまで迫り来ます。イザナギは

    “抜所御佩之十拳剣而<ミハカセル トツキツルギヲヌキテ>。而於後手布伎都都<シリヘニ フキツツ>逃来<ニゲキマセル”

  手に持った剣を後にぐるぐると振り回しながら(「布伎は振るなり」・・・古事記伝)一目散に、只、逃げるのみです。と云うことは。イザナギは立ち止まって相手と剣を交わすのではなく、要するに、「逃げるが勝ち」とばかりに逃げ来るのです。「攻撃」で無く、「防御」こそが、最大の、今、我が身に降りかかっている危険から逃げ切る事の出来る唯一の戦術とばかりに!!!!黄泉の国です。その地理も攻撃する者たちの戦力も何もかも分ってはいません、その上、真っ暗な暗黒の世界です。唯、むやみに手にした刀を後に振り回すだけで、相手の攻撃から自分の身を防ぐしか方法がなかったのです 

 なお、このイザナギがやみくもに振り回した「十拳剣」とは。その長さが10握りほど、約100cmほどの刀です。どのような形をしていたかは分かりませんが、このような剣ではないかと云う写真をどうぞ。これは真庭市中津井の大谷古墳から出土した大刀です。

                     

 

                    


八雷神の登場です

2016-12-23 09:34:56 | 日記

 予母都志許売ではイザナギに勝つ目途は有りません。イザナミは作戦を変更して、追手を、今度は、自分の身に湧きいでた八雷神<ヤクサノイカヅチガミ>にその役目を交替させます。更に、

              “千五百之黄泉軍<チイホノヨモツイクサ>”

 を副<ソヘ>て追わします。余程、自分の哀れな醜い姿を見られたことに腹立たしかったのでしょうか。1500人もの兵隊を添えて追わしたのです。宣長は「千五百<チイホ>」と読んでおります。百<ホ>は「富<ホ>」と云う意味で、毛々<モモ>から転じたもので、千五百<チイホ>とは「たくさん」の意味がある言葉だと説明しています。

 余程イザナギの力が強大であることが分かったのでしょうか、それほどの力強い武将達を使わして追い掛けさせたのです。

 なお、これも余残事ですが、前にも書いたのですが、かの倭建命(日本武尊)が

            “東方十二道之荒夫琉神<ヒムガシノカタ フタミチノ アラブルカミ>言向和平<コトムケ ヤハセ>”

 蝦夷征伐のために遠征しますが、その場を

          “副吉備臣等之祖名御鉏友耳建日子而遣之時”
           【吉備の臣などの祖、名は「ミスキトモミミタケヒコ」を副(そへ)て遣わす時】

 と、「古事記」には書かれております(なお、日本書紀には「吉備武彦}の名があります)。このときに使われた ”副”ですが、イザナミが逃げるイザナギを追いかけさせたときも黄泉軍<ヨモツイクサ>を雷神に付き添わしたので、同じように「副」という字が見えます。

 八雷神とそれを助ける千五百もの黄泉軍が物凄い勢いで追いかけてきます。絶体絶命の危機ですが、このイザナギの逃げる様子は(o・・o)/~明日にでも。

 

 ・お願い  

  「また」と書いたら  「(o・・o)/~」  こんなへんてこりんなものが出てきました。これってなんなのでしょうかね???????。誰か教えてくれません

 

 

 


八雷神の登場です

2016-12-23 09:34:56 | 日記

 予母都志許売ではイザナギに勝つ目途は有りません。イザナミは作戦を変更して、追手を、今度は、自分の身に湧きいでた八雷神<ヤクサノイカヅチガミ>にその役目を交替させます。更に、

              “千五百之黄泉軍<チイホノヨモツイクサ>”

 を副<ソヘ>て追わします。余程、自分の哀れな醜い姿を見られたことに腹立たしかったのでしょうか。1500人もの兵隊を添えて追わしたのです。宣長は「千五百<チイホ>」と読んでおります。百<ホ>は「富<ホ>」と云う意味で、毛々<モモ>から転じたもので、千五百<チイホ>とは「たくさん」の意味がある言葉だと説明しています。

 余程イザナギの力が強大であることが分かったのでしょうか、それほどの力強い武将達を使わして追い掛けさせたのです。

 なお、これも余残事ですが、前にも書いたのですが、かの倭建命(日本武尊)が

            “東方十二道之荒夫琉神<ヒムガシノカタ フタミチノ アラブルカミ>言向和平<コトムケ ヤハセ>”

 蝦夷征伐のために遠征しますが、その場を

          “副吉備臣等之祖名御鉏友耳建日子而遣之時”
           【吉備の臣などの祖、名は「ミスキトモミミタケヒコ」を副(そへ)て遣わす時】

 と、「古事記」には書かれております(なお、日本書紀には「吉備武彦}の名があります)。このときに使われた ”副”ですが、イザナミが逃げるイザナギを追いかけさせたときも黄泉軍<ヨモツイクサ>を雷神に付き添わしたので、同じように「副」という字が見えます。

 八雷神とそれを助ける千五百もの黄泉軍が物凄い勢いで追いかけてきます。絶体絶命の危機ですが、このイザナギの逃げる様子は(o・・o)/~明日にでも。

 

 ・お願い  

  「また」と書いたら  「(o・・o)/~」  こんなへんてこりんなものが出てきました。これってなんなのでしょうかね???????。誰か教えてくれません