恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

16.コンビニ 3

2007年09月18日 | 自分の恋
 日差しが穏やかになり、夜がダンダンと長くなって来た。
 コンビニでは、新商品の秋のお菓子が棚に並び始め、私は一人の女の子を待っていた。
 一ヶ月ほど前から挨拶をするようになり、世間話しをするようになった。名前も知らないし、年齢も知らない。
 結局は何も知らないのだが、無邪気に話しかけてくる。
 隣の焼肉屋でアルバイトをしている女の子だ。
 いつもオレンジエプロンをしている。
 今日も、コンビニの自動ドアが開いて、冷たい風と共に入って来た。
 「おつかれチャンです。」笑顔一杯で手を振りながら入って来るので、私は思わず頬が緩んでいた。
 「お疲れさま。」女の子がコンビニを一通り回ってレジにやって来る。今日は、栄養ドリンクを買っていた。昨日は一リットルの牛乳だった。
 私は少しだけ胸が高鳴る。
 「うふふふ。」私が商品をレジ袋に入れていたら、何故かずっと笑っていた。私の顔が可笑しかったからなのかどうかは分からないが、機嫌が良さそうだった。
 私も誘い笑いに思わず大声で笑っていた。
 「何で笑っているの?」と聞いても、女の子は目を細めているだけだった。
 女の子が商品を受け取ると、オレンジエプロンのポケットにお金を閉まい、少しだけ振り返り、秋風のように去って行った。
 昨日缶コーヒーの券をあげたから喜んでいたのだろうか。
 明日も来るだろうか。
 どんな話しをしよう。
 その子の為に取っておいたドリンクの券をポケットの中でただ握り締めていた。
 
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