あの日から1年目の今日の大阪は、久しぶりの好天に恵まれた日曜日となった。
販売する本を携えて会場の扇町公園に10時過ぎに到着すると、すでに搬入を終えた梅書房さんが机に本を陳列されていた。今日は店長・梅書房さん、販売員・私という2人体制だ。4本の机と梅書房オリジナル陳列棚に本を展開、30分で準備完了となる。
まだ要員ばかりの会場の舞台では、司会もいない、出演者の名乗りもないおかしな演奏風景が始まっていた。なんやろうと思っていたら12時から始まるプレ企画のリハーサルであることが判明。なるほど、どおりでと一人納得した。
11時頃になると、会場は一般参加者で埋まってきたようで、本もぼつぼつ売れ始める。原発の集会といえども品揃えは原発の本だけではない。さすがは梅書房さん。その点は抜け目がなく、原発の本3点30冊だけ持参した私とは大違いだ。やはり本の販売は集会のテーマにかかわらず多品種少量の品揃えが大切のようだ。人々の頭は原発一色ではないのだ!
圧倒的に他社の本が多いので当然売れていく本も他社の本ばかりだ。早くウチの本も買って頂戴な、と祈りつつせっせと他社本を販売していくことの虚しさ…。まあ、お客さんがセレクトして差し出されるから仕方ないのだが…。
そして、じっとわが本が売れる時を今か今かと待っていたその時、一人のご夫人が手にした藤永&西谷両氏の原発本。さっそく、「あっ、それ話し言葉ですからわかりやすいですよ。この著者の藤永さんはですね、関電の株主として株主総会で社長に原発を止めて自然エネルギーにしなさいとずっと主張し続けてきた人なんです。ついでにこの本、私が編集しました」などの営業トークを始めると、「はい、では買いましょう」と仰るではないか! おおっ、漸く本日の1冊目が売れたと、心の中で小さくガッツポーズ! 気を取り直して喜びをかみしめながら次々と販売をこなしていく。
さて、本を販売しているとこういう集会の会場ではさまざまな知り合いに遭遇する。以下、順不同で思いつくままに記してみると…。
まず最初に西谷文和さん。藤永さんとの本を名古屋の方が60冊も売ってくださったといううれしい情報をいただく。先日、第三書館から出た「ハシズムは沈むか」という本に原稿を寄せたそうだ。西岡さんは機関紙協会大阪の理事長。今朝ほど「大阪民報」の連載記事取材で生駒山に登ってきたばかりと仰る。帽子にめがねにマスク姿で最初は誰だか判別できないような姿だった江口さんも機関紙協会の役員だ。後藤さんは大阪歯科保険医協会事務局の人。昨日もちらっと姿を見かけました。朝妻さんは同じ町内会の人で今日は労働組合からの参加の模様。岡さんは相川有床診療所の事務員さん。園部さんも同じ町内会の人で、昔こばと保育園では夜間保育でお世話になった人。清水ただしさんは候補者の人。たすき姿で握手をしながら各ブースを回って来られた。テントの外に陳列している本を整理していたら肩を誰かに叩かれた。振り返ると藤永さん。立ち話ながら在庫のことなどを確認しあった。それから安達先生は小児科医で茨木診療所長としてご活躍。原発問題や「慰安婦」問題に強く関心をお持ちでさすがに勉強熱心な人。今日も4冊の本を購入していただいた。ありがとうございました。玉ちゃんは吹田市会議員でいつも明るくわが町の人気者。4月8日のお花見後援会の集いに誘われました。そして大阪青年ユニオンの中嶌さんと稲田さん。4月1日の「ユナイト」は行きますよ! それからサードさんも忘れてはいけない人。この会場のすぐ近くに事務所でウチの本のDTP作業以下の工程をすべてお任せしている人なのだ。
さて集会は12時からプレ企画、そして14時から本企画順調に進み14時46分には全員で黙祷を捧げた。最後に「原発なくせ」と描いたプラカードを一斉に掲げてパフォーマンス、原発ゼロへの意志を参加者は確認しあい、デモ行進へと移った。
デモ行進の行く先はほん近くの中崎町なので短いが、何しろ8千人である。公園を出るだけでも時間がかかる。おそらく最後尾が会場を出るときにはすでに先頭は解散していたに違いない。それにしてもなんだか久々に見る長いデモ行進だった。
参加者には小さな子どもから若い女性、お母さんの姿、そしておばあちゃんまで幅広い層が集まっていた。それがいいじゃないか。そして、今日3.11は被災者への祈りと原発ゼロ社会をめざすたたかいの新たな一歩としてすべての参加者の記憶の時計に刻まれたに違いない。