小社の著者の一人、杉山貴士さんがパートナーと家族になり、明日、そのお祝い会を行います。
杉山さんとの出会いは今から8年前。「機関紙出版からぜひ本を出して欲しい」と「大阪民主新報」の記事のコピーを持って会社に来られました。その記事は、彼もそうである性的マイノリティの人権と運動をテーマにした宮本たけしさんとの対談でしたが、その時はその内容よりも目の前にゲイの人が現れて今、初めてそういう人と話をしていることに不思議な感覚を覚えたものでした。
私自身は特に偏見があるとかではなく、そりゃあいろんな人がいるだろうという感じで受け止め、一生懸命出版化について語る彼の姿勢に共感を覚えたことを昨日のように思い出しています。
そうして出版したのが『聞きたい知りたい性的マイノリティ』(2008年8月刊)で、対談記事以外にも多くの方が執筆参加され、ボリュームのある本になりました。当時、民主的運動に取り組む人々の間でもまだまだ性的マイノリティに対する認識は決して十分なものではなかったと思いますが、そんな中、機関紙出版としては初めてのテーマの出版となり、この本を編集する中で私自身が学ぶことにもなりました。
その後、杉山さんはカミングアウトしながら医療生協職場で働き、大学での教鞭や各地での講師活動に取り組み、その生き方はまさに時代の先駆者と呼ばれるべき奮迅ぶりです。
そして、そんな杉山さんがこのたび、数年間のパートナーとの関係をさらなる家族関係へと発展させることとなり、明日、そのお祝いの集いを持つこととなったのです。