今年最初の新刊は高齢者の孤立死をテーマにした本です。
2021 年2 月19 日、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が設けられました。「孤独」や「孤立」というキーワードを含む組織が政府内に設置されるのは初めてですが、孤独や孤立という状況に置かれている人はもっと前から社会の中に存在していました。社会における孤独や孤立の行き着く先は「孤独死」「孤立死」です。
日本では、阪神・淡路大震災後の仮設住宅で孤立死が起こっているという事実が認識されたことをきっかけに、これらの言葉が注目されるようになりましが、20 年以上前から存在しているにもかかわらず、これまで具体的な施策が講じられてこなかったことの要因の1 つとして、「社会的に孤立」しているが故に、「社会の中に埋没し、潜在的なものとなってしまう」ことがあります。
ところが、災害やそれに類する状況は、もともと存在していた社会的な課題を浮き彫りにすることがあり、今の社会情勢においては、新型コロナウイルスによる感染症の拡大という未曾有の事態により、社会的に孤立している人々が“ 表面化してきた”ことが、政府の新たな施策へつながっています。誰もがいつかは高齢者になりますが、たとえ家族がいても孤立死する可能性があるのが現代社会です。
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ひっそりと死を迎えた人の中には、生前何らかの形で社会との繋がりを持ったことのある人が圧倒的に多い。にもかかわらずその死が認知されないという現代の日本社会は健全な社会なのだろうか。
◎著者/新井康友、松田尚子、渡辺慎介、𠮷川順子、石田史樹
◎定価/1430円(税込)
◎判型・頁数/A5判・ソフトカバー・118頁
◎発売/書店発売は1月26日、それ以前に小社直接申込者には随時送付
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