MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.076 「MW-ムウ-」(2009年 130分 シネスコ)

2009-08-02 00:06:24 | 2009年劇場鑑賞
監督 岩本仁志
出演 玉木宏
   山田孝之
   石田ゆり子



この日2本目の映画は同じく邦画の話題作「MW-ムウ-」!
コンビニで見つけたこの映画の原作本を思わず手に取って買ってしまいました。
手塚治虫原作のこの漫画、いままで読んだこと無かったけど今回映画を見る上で読んでおこうと思ったのでした。
内容をまったく知らずに読んだんですが、手塚治虫原作・・・というイメージで読んでたらぶっ飛びました!
禁断の作品の映画化と言われてたけど、なるほどたしかにこれは衝撃作ですね~原作通りに描かれればですが・・・

(あらすじ)

16年前、ある島の島民全員が死亡した事件は政府によって隠ぺいされるが、二人の少年が奇跡的に生き延びた。
その一人でエリート銀行員となった結城美智雄(玉木宏)の裏の顔は冷酷な殺人鬼で、神父となった賀来裕太郎(山田孝之)は結城を救済しようと苦悩する。
そんな中、16年前の事件の鍵を握る「MW」を手にした結城は世界滅亡をもくろむ。



う~ん!やっぱり・・・と言うかあのまま映画化はやはり無理だったようですね。
映像化不可能と言われてたけど、その不可能の部分を全部はしょって作った映画で、やや拍子抜け。
でもそこそこ楽しめる作品にはなってましたけどね。

だが、この作品の核となる主人公の2人、結城と賀来の関係があやふやに描かれてたのが大きいですね。
同性愛という関係は結城が犯罪に走り、賀来がそれを止めようとするものの結局は彼と禁断の関係が断ち切れず、また彼の犯罪を止めることが出来ない。
そんな苦悩ぶりが映画では2人の危うい関係が明確に描かれてないので、原作ほどの深見は感じられず。
後半の基地の場面なんかは原作を読んでしまった後で見たものしては、もうメタメタ・・・
でもオープニングのタイでの身代金の取引の場面はなかなか映画的には面白くかんじました。
石橋凌が「フレンチコネクション」のポパイ刑事の如くやたらと走りまくりますが・・・



原作では結城が変装の名人であるという事が一つのキーポイントであってトリックの布石となったりするんだけど、冒頭で変装シーンあるけど名人という風な強調はされてないので当然ながら原作と異なった展開にドラマ進行します。
原作では堂々と女装したり、偽装工作で事故に見せかけたりと恐ろしいほどしたたかなんだけどね。

この映画版でも殺しの場面は多くバイオレンスな描写が出てくるが、原作ほど過激でなく、同性愛やレイプに殺人、強盗、誘拐etc・・・とにかくありとあらゆる悪行を重ねる結城美智雄だが、演じる玉木宏のイメージもあってそこまで出来ないのかも?
鉄腕アトムやジャングル大帝のあの手塚治虫の作品とは思えない過激な性描写に残酷描写を映像化する勇気は日本映画界ではないのかな?
まぁ、玉木宏と山田孝之のホモシーンは別に見たくはないけど、売れっ子の2人がそこまでチャレンジするのも見てみたかったような気もするな。



★★★ 2009.7.30(木) 布施ラインシネマ10 南館 シネマ9 18:30 F-9