新見公立大学では、毎年教員が学生たちに推薦図書を示すようになっています。
2017年度に紹介した本は以下の書です。
『スタインベックの物語世界―生と死と再生と』(彩流社)
上 優二
毎年、ジョン・スタインベックの作品を紹介していますが、今年は、研究書を紹介します。長年スタインベックを研究された故・上 優二先生の著作です。2015年に逝去した上先生が、生前、出版を目指し書きためた原稿を出版したもので、私も校正等協力させてもらいました。解説から読んで、作品を読むというのも小説など文学作品の読み方の一つです。これを読んで、スタインベック作品に興味を持ってくれたら幸いです。
『吾輩は猫である』(岩波文庫 ほか)
夏目漱石
昨年の漱石生誕150年に、この書を読みました。現代人では意外と読了した人が少ないと思われるこの作品、書名通り、本当に吾輩は猫であるような感覚で読み進めていることに気づきます。しかし、主人公の猫の「吾輩」は「おのれが猫である事はようやく忘却して、猫よりはいつのまにか人間のほうへ接近してきたような心持ちになって」と語っています。この小説の最後は、ある有名な英語のことわざを、漱石が体現したものだと思います。
『やさしき神の手』(吉備人出版)
有木きょう子
著者の有木きょう子氏は、私が学会等でお世話になっている方で、以前から研究論文を発表する傍ら、エッセイ集や物語集なども出版されていました。この書は昨年(2016年)に出版されたもので、6編の短編小説が収められています。それぞれの作品が岡山県内のどこかの地域を舞台としていて、岡山県に住むものとしては、作品場面に身を置きながら読んでいきやすい小説が並んでいます。いつか新見を舞台とした話を書いてもらいたいです。
『教育力』(岩波新書)
斎藤 孝
PTA研修会で斎藤 孝氏の講演を聴く機会があり、準備として斎藤氏の著作を何冊か読ませてもらったうちの一冊です。教育とは「あこがれ」の伝染であるという言葉は、教育を生業としている私もはっとさせられました。また、学習者に学びのベクトルをつけてあげることが教員の仕事である、そのためには、自分も学び続けるというベクトルを持ち続けなければならないことを再確認しました。幼児教育学科だけではなく他学科の人もどうぞ。
『いつやるか? 今でしょ!―今すぐできる45の自分改造術!』(宝島社)
林 修
言わずと知れた東進ハイスクールの人気講師林氏、PTA講習会で講演を聞くことになり、それに先立ち読みました。人生のヒントがちりばめられていてとてもいい本です。実は林氏、私と同年齢で、学生時代の話など、同時代的に読むことができました。私自身は時間の無駄だと思ってやろうとしなかった麻雀、つきあい程度でやったけどはまりはしなかった競馬の効用も書かれていて、なるほどと思いながら読みました。いつ読むの?今でしょ!
『読書ネットワークの拡大と文学環境の変化―19世紀以降にみる英米出版事情』(音羽書房鶴見書店)
小林英美・中垣恒太郎編著
いささか宣伝めいてすみません。私もコラム「アメリカの地域読書運動について」とヴァージニア・ウルフ論文についてのコメントを執筆している書を紹介させてもらいます。この紹介文も皆さんに読書を薦めるため書いているものですが、そもそも、著者が本を出版し、読者がそれを読むという関係性がどのように始まり、どのように変化しているかを様々な視点から知ることができます。読書好きの人、ぜひ読んで感想を聞かせてください。
2017年度に紹介した本は以下の書です。
『スタインベックの物語世界―生と死と再生と』(彩流社)
上 優二
毎年、ジョン・スタインベックの作品を紹介していますが、今年は、研究書を紹介します。長年スタインベックを研究された故・上 優二先生の著作です。2015年に逝去した上先生が、生前、出版を目指し書きためた原稿を出版したもので、私も校正等協力させてもらいました。解説から読んで、作品を読むというのも小説など文学作品の読み方の一つです。これを読んで、スタインベック作品に興味を持ってくれたら幸いです。
『吾輩は猫である』(岩波文庫 ほか)
夏目漱石
昨年の漱石生誕150年に、この書を読みました。現代人では意外と読了した人が少ないと思われるこの作品、書名通り、本当に吾輩は猫であるような感覚で読み進めていることに気づきます。しかし、主人公の猫の「吾輩」は「おのれが猫である事はようやく忘却して、猫よりはいつのまにか人間のほうへ接近してきたような心持ちになって」と語っています。この小説の最後は、ある有名な英語のことわざを、漱石が体現したものだと思います。
『やさしき神の手』(吉備人出版)
有木きょう子
著者の有木きょう子氏は、私が学会等でお世話になっている方で、以前から研究論文を発表する傍ら、エッセイ集や物語集なども出版されていました。この書は昨年(2016年)に出版されたもので、6編の短編小説が収められています。それぞれの作品が岡山県内のどこかの地域を舞台としていて、岡山県に住むものとしては、作品場面に身を置きながら読んでいきやすい小説が並んでいます。いつか新見を舞台とした話を書いてもらいたいです。
『教育力』(岩波新書)
斎藤 孝
PTA研修会で斎藤 孝氏の講演を聴く機会があり、準備として斎藤氏の著作を何冊か読ませてもらったうちの一冊です。教育とは「あこがれ」の伝染であるという言葉は、教育を生業としている私もはっとさせられました。また、学習者に学びのベクトルをつけてあげることが教員の仕事である、そのためには、自分も学び続けるというベクトルを持ち続けなければならないことを再確認しました。幼児教育学科だけではなく他学科の人もどうぞ。
『いつやるか? 今でしょ!―今すぐできる45の自分改造術!』(宝島社)
林 修
言わずと知れた東進ハイスクールの人気講師林氏、PTA講習会で講演を聞くことになり、それに先立ち読みました。人生のヒントがちりばめられていてとてもいい本です。実は林氏、私と同年齢で、学生時代の話など、同時代的に読むことができました。私自身は時間の無駄だと思ってやろうとしなかった麻雀、つきあい程度でやったけどはまりはしなかった競馬の効用も書かれていて、なるほどと思いながら読みました。いつ読むの?今でしょ!
『読書ネットワークの拡大と文学環境の変化―19世紀以降にみる英米出版事情』(音羽書房鶴見書店)
小林英美・中垣恒太郎編著
いささか宣伝めいてすみません。私もコラム「アメリカの地域読書運動について」とヴァージニア・ウルフ論文についてのコメントを執筆している書を紹介させてもらいます。この紹介文も皆さんに読書を薦めるため書いているものですが、そもそも、著者が本を出版し、読者がそれを読むという関係性がどのように始まり、どのように変化しているかを様々な視点から知ることができます。読書好きの人、ぜひ読んで感想を聞かせてください。