すでに多くの旅人、地元民に愛されている埼玉県羽生市の東北自動車道「羽生PA」(上り線)は以前はごく普通のサービスエリアであったが、大規模改造されて2013年末の12月19日に「鬼平江戸処」の名でオープンしまさに「衝撃的な」再デビューとなった。構造的にも画期的で東北自動車道上り線のPAであると同時に町の一般道からも「道の駅」のような感じで出入りができる。すべての建物、食堂、お土産店の雰囲気は江戸時代の風情そのもので、一歩踏み込むと完全に江戸時代の町への「タイムスリップ」感を味わうことができる。
羽生PAの別名「鬼平江戸処」は戦後を代表する時代小説・歴史小説作家・美食家・映画評論家としてもその名を知られた池波正太郎(1923-1990)の代表作「鬼平犯科帳」の主人公で江戸の人情味を代表する人物として登場する「鬼平」こと実在の火付盗賊改方長官「長谷川平蔵」にちなんでいる。埼玉県内ではあるが、江戸に入る直前のこの地には「栗橋関所」が置かれていたこともあり、庶民が生き生きと暮らしていた時代の江戸の町並みと人情を忠実にこの場所に再現して親しんでもらうことが目的であったという。
東北自動車道の駐車場に面しては江戸の繁栄を象徴する日本橋大店、下町の本所深川、両国広小路の屋台の連なりなど、また一般道からの道筋にも鬼平が闊歩したであろう江戸の町並みが見事なまでに再現されている。食堂やみやげ物店の造りも店員の身なりも揃って江戸町風で楽しい。わずか4枚の写真ではとてもその雰囲気を十分には伝えられないが、訪れる人たちは皆目を見張り、驚きの声を上げながら散策を楽しんでいる。東北自動車道で東京に向かうとき、また近くに出かけた時は、とにかく忘れずに立ち寄ってしばし休んでいきたい「名所」となっている。
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