こんにちは。市民レポーターの 三井(みつい)玲子(れいこ) です。
今回は、現在無料公開中の「峯薬師(みねのやくし)」(11/30(土)まで)をたずねて、甲斐善光寺へ出かけました。
▲金堂(本堂・重要文化財)
甲斐善光寺は、武田信玄(晴信)が、信濃川中島の合戦の折に信州善光寺の御本尊を奉還したのが、創立のはじまりとされています。(1558年)
行楽日和の日曜午後、境内には多くの参拝客の方々が訪れていました。
さあ、「峯薬師(みねのやくし)」様とのご対面へ。金堂西側の宝物館に向かいましょう。
▲宝物館(2階)にて特別公開中
宝物館では、公開中の毎日曜日(10時と15時)に、「僧侶ガイド」を行っています。無料30分程度で、その場で申し込みができます。
この日は、執事・渡辺様に僧侶ガイドをしていただきました。(館内は撮影禁止のため残念ながら画像はありません…)
こちらの「峯薬師」像は、木造で像の高さは60センチほど(制作推定は平安時代)。
やさしいお顔立ちと、やわらかく丸みをおびた体の線が、慈悲やぬくもりを感じさせるお姿です。
薬師如来(やくしにょらい)を意味する薬壺(やっこ)を左手に捧げ、病気(びょうき)平癒(へいゆ)、子授け・安産の霊像として、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。
お寺の方々からは「お薬師(やくし)さん」と呼ばれ、親しまれています。
この「峯薬師」に、松平広忠公と夫人於大(おだい)の方(かた)が子授けの願掛けをして生まれたのが、徳川家康公だといわれています。
元々は、愛知県の鳳来寺(ほうらいじ)(現新城市)の御本尊でしたが、信玄公が三河へ出陣した際に立ち寄り、
ひと目でご縁を感じて(ひと目ぼれ?)お持ち帰りになったそうです。
その際の、薬師像にまつわるふしぎな話もありますので、ぜひ僧侶ガイドでお楽しみください。
かつて、経年劣化などで破損著しかった「峯薬師」像ですが、平成18(2006)年に修復され、翌年に公開。
平成25(2013)年の国民文化祭、そして今年の甲府開府500年など、それぞれ記念の年に公開されてきました。
次の公開は未定のため、貴重なこの機会に、わかりやすくてためになる僧侶ガイドを聞きながら、
「お薬師さん」とのご縁を感じていただければと思います。
▲宝物館わきで、ねこ発見!(実際は3匹いました)
▲お庭の池では、鯉がゆったりと泳いでいます。
時間のある方は、甲斐善光寺金堂の「お戒壇(かいだん)廻り」や「日本一の鳴き龍」などもご体験ください。
(※金堂拝観料が必要です。 大人500円 小学生250円 団体割引30名以上2割引)
甲斐善光寺「峯薬師」関連図書のご紹介です。
(※書影は発行所の許諾を得ています)
甲斐善光寺「峯薬師」チラシ表・裏(左・右)
『浄土宗 甲斐善光寺』 清雲俊元ほか 山梨歴史美術研究会 2009年 (中)
甲斐善光寺の概要がわかる、ガイドブック的な一冊です。本書39ページに「薬師如来立像」の記述があります。ご参考までに。
甲斐善光寺 ホームページは↓こちらです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。皆様にも「お薬師(やくし)さん」とのご縁がありますように。(市民レポーター 三井玲子)