◆~伝統を守りつつ、新たな挑戦も~◆
こんにちは。市民レポーターの “クッツー” こと沓間聖です。
山梨と言えば印傳、でも印傳のことって知っているような知らないような…
そこで、鹿革と漆の印傳の歴史と文化をつたえる印傳博物館に行ってきました。
甲府市中央の印傳屋本店2階にあります。
まずは、DVDとパネルで印傳の製造工程や歴史を紹介。
職人さんの技のすごさを知ることができます。
印傳の名前の由来、山梨で印傳が盛んになったわけなど、印傳にまつわる様々なことも…
道具の展示もあります。写真は、模様をつける伝統の技法のひとつである、燻(ふすべ)技法で使われる道具です。DVDでも紹介されています。
印傳といえば、鹿革。手に取って見せていただきました。柔らかくて、人の肌のようでした。鹿革は、柔らかくて丈夫で、加工がしやすいそうです。
印傳博物館では一年に4回、企画展を行っています。
私が行ったときには、「印傳の物入れ ~巾着から信玄袋~」という企画展が行われていました。
財布や煙草入れ、鏡を入れる袋など、今の化粧ポーチやウエストポーチのようでした。
昔の人が実際どのように身に着けていたか、わかるように展示してあるコーナーもありました。
合切袋(がっさいぶくろ)って知っていますか?なぜ合切袋っていうのかな?
「早道」って何かな?…など、印傳博物館に行ってはじめて知ったことがたくさんありました。
印傳博物館の方からのメッセージ
『鹿革の工芸品を展示している博物館は、日本でただ一つ、ここだけです。かつては、武将の鎧やかぶと、蹴鞠(けまり)に使われ、江戸時代には、巾着や煙草入れなどで庶民に広がりました。これらを鑑賞することで、当時に思いをはせてほしいです。伝統的工芸品である甲州印傳をぜひ見にいらしてください。』
甲州印傳というと巾着など和装の小物というイメージがありました。また、模様も“小桜”や“とんぼ”などのデザインばかりだと思っていましたが…なんと、今は、デザイナーさんとコラボした新しい模様やA4サイズが入るバックなど、時代に合った製品も作っているそうです。伝統を大切にしながら、時代に合った工夫をしているからこそ、印傅の技術はずっと受け継がれているのだなあと思いました。
【おまけ】
鹿革工芸品は、古くからあり、正倉院の宝物にもあると教えていただきました。正倉院展に毎年、行っている私にとって、大きな驚きであり、印傳がぐっと身近なものに感じられました。
ところで、正倉院がある奈良県には甲府市の姉妹都市があります。ご存知ですか?
大和郡山市です。「金魚とお城のまち」です。
【参考】
印傳博物館ホームページhttps://www.inden-museum.jp/