小さなパン屋のピンクのブラインドの前に立って 気がついたら昔々の歌曲を
口ずさんでいた。
まだまだ日本が豊かではなかった時代に 歌詞の中の「ポンジュール」「エクレール」と
おしゃれな歌詞が夢のようで パリの街を想像していたように思う。
エクレールは シュークリームにチョコレートがのっていて 細長いお菓子と
聞いているだけで 見たことも食べたこともなかった。
西条八十作詞 橋本国彦作曲
昭和3年作曲
お菓子の好きなパリ娘
二人そろえば いそいそと
角の菓子屋へ ポンジュール
腰もかけずにむしゃむしゃと
食べて口拭くパリ娘
残る半ばは手に持って
行くは並木か公園か
空は五月のみずあさぎ
腰もかけずにむしゃむしゃとーー 当時の日本の女の子はやらないことだった。
少女時代の歌を 忘れないで覚えているものですね。この頃の歌は覚えられない。
聞こえて来ないよ。