又吉泉記
前田又吉(1830~93)は大阪生まれの実業家。
明治21年,河原町二条の京都府勧業場跡地を買収し,
京都ホテルの前身である常盤ホテルを開業した。
同ホテルは又吉の没後,同28年に買収され京都ホテルと改称。
現在の京都ホテルオークラである。
いっぽう明治初年神戸花隈に料亭常盤花壇を創業,
同6年に諏訪山(現神戸市中央区)の鉱泉に目をつけ,
常盤花壇を諏訪山に移転した。そのため同地は温泉街として発展。
神戸市内のレジャー施設になった。
この諏訪山温泉街の開設経緯を叙し,同地に建てられたのが本碑である。
諏訪山には本碑および前田又吉銅像記碑が立っていた,
京都ホテルが創業百周年の記念に譲り受け,1988年同ホテル構内に移築した。
没後,北風正造ら神戸の有力者が又吉の銅像を諏訪山に建立し,
その傍に由緒を記した碑を建てた。これが本碑である。
銅像は戦時の金属供出に出され,
この碑および又吉泉記碑のみが残ったのを,
京都ホテルが創業百周年の記念に譲り受け,1988年同ホテル構内に移築した。
はじめに 前田又吉
最後の方に 伊藤博文の文字が見えます
参考 ➡ 京都ホテル100年ものがたり 第1部 17.18.19